薬剤師は未経験分野でも転職は有利?仕事の選び方や面接での注意事項 |ファイナンシャルフィールド

薬剤師は未経験分野でも転職は有利?仕事の選び方や面接での注意事項

岡澤和良

執筆者: 岡澤和良

国家資格キャリアコンサルタント
国家資格キャリアコンサルタント(登録番号 17012232) JCDA認定CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)(会員番号 CDA148399) ジョブ・カード作成アドバイザー(登録番号 n17-00147) 宅地建物取引士(登録番号 上川第1034号) 二級ファイナンシャルプランニング技能士(登録番号 F20210228896)   ・「履歴書・職務経歴書の書き方教室」を通じて、ミドル・シニアの方々の「売り(強み)」を再発見し言葉にします   ・定年を向える(定年後の)方々の「キャリアの棚卸し」を行い、自身の 「Will(やりたいこと)・Can(出来ること)・Must(期待されていること)」を見える化し充実したセカンドキャリアを応援します。   ホームページ https://okmirai.jimdofree.com/
新しいことに挑戦したくて未経験分野への転職を考えている薬剤師の方に、注意点とどのような仕事があるのかを解説していきます。

薬剤師の転職は比較的ラクだといわれますが、未経験分野の場合は、準備をきちんとしておくことが必要です。また未経験分野での就職は、経験豊富な分野よりは難しいということを知ってチャレンジしてください。

薬剤師の未経験分野への転職で気をつけたいこと

例えば求人サイトの「マイナビ」で、「未経験者も応募可能」の薬剤師求人を検索すると4500件のヒットがあります。その他の求人ページでも同様にかなりの数の求人を見つけられます。一般的に薬剤師を必要とする職場は多く、求人が多い傾向です。薬剤師が未経験分野へ転職して満足できる結果を得るために以下のことを留意することが必要です。

薬剤師でも中途採用は新卒よりハードルが高い

求人が多い薬剤師ですが、それでも中途採用は大変だということを頭に入れておきましょう。即戦力になる薬剤師を雇ったほうが、企業としてはメリットも大きく、未経験者でも新卒の方が教育しやすいためです。仕事内容を全く知らないでただ新しいことにチャレンジしたいというだけという「やる気」だけではなかなか転職先が見つかりません。

転職後の覚悟が必要

仮に経験のある分野での職場への転職であってもそれぞれの職場でのやり方がさまざまなため、覚えることがたくさんあります。当然、未経験分野での転職であれば、職場でのやり方に加えて新しい業務知識を覚えることは大きな負担です。新しい仕事を始めることは大変ですが、同時にやりがいもあるでしょう。

未経験者の転職で職場を選ぶ際に注意したいこと

職場の選び方はとても大切です。特に未経験分野への転職の場合は、情報が入りにくい可能性があります。

未経験者の受け入れ体制がしっかりしている

未経験者でも応募可能な職場の中には、人手不足のために未経験者を受け入れているところもあります。受け入れ体制が整っているのかは、特に未経験で転職する際の就職先を選ぶ大切なポイントです。面接でも必ず研修制度について確認しましょう。

収入に固執しない

未経験分野での仕事ですから「年収ダウン」は当然のこととして受け入れるしかありません。収入に固執すると、転職に時間がかかり最終的には新しい分野をあきらめて経験のある仕事についてしまうという結果になってしまいます。

未経験分野への転職希望者は、まず収入が下がることを受け入れ新しいことを覚えた後に収入アップを交渉するか、転職することを目指しましょう。年収が高い案件は、慣れるまでが難しく転職後に負担が多いことがほとんどです。忙しすぎてスキルアップをしようという余裕がなくなってしまいます。

転職サイトの転職コンサルタントに相談

未経験分野ですと、新しい職場環境等が自分の思い描くものに合っているのかどうか判断が難しいため、転職した後で合わずに辞めてしまうケースも多い傾向です。情報を多く集めることが大切ですが、ネットや知人関係の口コミではあまり情報を得られません。転職サイトの転職コンサルタント(転職サイトによって呼び名が異なる)を積極的に利用しましょう。

面接のために用意すべきこと

雇う側としては未経験者より経験者で即戦力のある人を希望することは自然です。しかし、面接での応対でもしかしたら経験者以上にメリットがあると感じさせることができるかもしれません。そのために面接担当者が質問しそうなことを想定し、自信をもって答えられるように用意しておきましょう。

なぜ未経験分野にチャレンジするのかを明確に

全く未経験分野になぜ転職したいのかは必ず質問されます。同じ分野でキャリアアップを目指していくことが一般的です。きちんと説明できなければただの夢見がちな人と思われてしまいます。相手が納得できるような熱意を感じられるような答えが必要です。

前職を辞めた理由

前職を辞めた理由は、どのような目的の転職の場合でも必ずされる質問です。グチなどにならないように、前向きな姿勢をアピールしましょう。決して辞めた職場の悪口を言わないようにし、新しい職場でどのようなことをしたいかをできるだけ具体的に話しましょう。

今までの経験を詳しく説明する

これまでに就労してきた仕事内容を詳細に、可能であれば数字を使って話します。その過程でどのようなことを学んだのか、持っているスキルなどを付け加え、成長してきたことをアピールしましょう。分野が違ってもそのような経験をどのように新しい仕事に生かしていけるかという展望を加えると効果的です。

下調べをきちんと

どの業種の転職でも言えることですが、面接をする企業について下調べをしておきます。どのようなコンセプトの企業なのか、規模や関連企業などを頭に入れておくと、これからどのように仕事をしたいかが企業との親和性をアピールします。

こんな仕事も薬剤師の仕事?

今の仕事とは異なる分野の仕事がしたいと、漠然と考えている方も多いでしょう。薬剤師の仕事は多岐に亘ります。これから紹介する仕事以外にもたくさんありますので、ご自分でも探してみてください。

化粧品メーカー

化粧品メーカーでは、化粧品の開発のための処方開発や臨床試験等を行うために薬剤師の知識が必要です。また新しい製品の薬事申請や品質管理をし、安全性維持のために働きます。

在宅医療薬剤師

通院ができない高齢者や自宅療養をしている患者の自宅や施設に訪問し、服薬や薬の管理について指導するのが在宅医療薬剤師です。ケアマネジャーや医師・看護師とチームで仕事をします。

高齢者で在宅の場合、家族が薬を受け取りに行く場合が多いので患者に服薬指導ができないということが増えています。在宅医療薬剤師がいると直接指導を受けられ、患者が薬について理解が深まることがメリットです。患者と直接向かい合うため、やりがいを感じられる仕事です。

在宅医療薬剤師として働くには、在宅医療を行っている調剤薬局に就職します。一般社団法人が認定する「在宅療養支援認定薬剤師」の資格を取るとさらに有利です。

学校薬剤師

幼稚園、小学校、中学校、高等学校には「学校薬剤師」がいます。学校保健安全法 第23条により決まっています。教室の空気検査、プールの衛生や水道水の検査、給食施設の管理などが主な仕事ですが、健康相談や保健指導などを行うことも期待されています。

給料は期待できませんが、各校に1人だけの仕事でやりがいのある仕事です。ただし各校1人のみの定員なのでなかなかポジションが空きません。

MR

製薬会社に勤務し、自社医薬品を紹介する仕事です。MRは製薬会社に所属する以外に、MR派遣業(CSO)に所属する方法もあります。営業的な仕事で、薬剤師の資格は必要ありませんが、薬剤師の資格を持っていると医師の信頼を受けやすく有利だといわれます。また「公益財団法人MR認定センター」による「MR認定資格」の受験で認定証を得ると就職しやすくなる可能性が高まります。

未経験でMRになることはかなり難しいですが、MRは成果によって給与がかなりアップします。人とのコミュニケーションに自信のある人はトライしてみてはいかがでしょうか。

CRAやCRC

「CRA」や「CRC」は新薬の治験に関わる仕事です。CRAは、製薬会社に依頼され医療機関での治験が適正にされているかを確認します。CRCは治験がスムーズに進行できるようにコーディネートをする仕事です。例えば治験のスケジュール管理や被験者への説明やケアなどを行います。CRAやCRCは未経験でも比較的転職しやすい仕事です。

薬剤師の転職は未経験分野でも可能

薬剤師が、未経験分野で転職する際に気をつけたいことや可能性が広がるさまざまな職種を紹介しました。転職をしてから思っていた仕事と違っていたと後悔しないように、しっかり情報を集めてください。

また未経験分野での転職で大切なことは、面接でどうご自身をアピールするかです。なぜ未経験分野に転職したいのかを考え、言語化し面接に臨みましょう。

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