更新日: 2019.07.03 控除

【確定申告直前】災害で住宅等に被害が生じたら雑損控除を受けよう

執筆者 : 新美昌也

【確定申告直前】災害で住宅等に被害が生じたら雑損控除を受けよう
平成30年は大きな災害の多い年でした。大阪北部地震(6月18日)、西日本を中心に記録的大雨の発生(6月28日から7月8日)、9月の台風21号・24号による記録的暴風及び高潮、北海道全域がブラックアウトした北海道胆振東部地震(9月6日)など。
 
台風や地震などで住宅等に損害が生じた方にとっては大変な年でしたが、「雑損控除」という所得控除を受けることができます。忘れずに確定申告しましょう。
 
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

雑損控除とは

災害または盗難もしくは横領によって、資産について損害を受けた場合等には、確定申告により、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを雑損控除といいます。
 
雑損控除の対象となるのは、次のいずれかの場合に限られています。
 
(1) 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
(2) 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
(3) 害虫などの生物による異常な災害
(4) 盗難
(5) 横領
 
(4)(5)に関し、例えば、財布を盗まれた場合は対象ですが、道で落とした場合は対象になりません。また、横領は対象ですが、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。
 

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雑損控除の対象となる資産

雑損控除の対象となる資産は、資産の所有者が納税者、または、納税者と生計を同じくする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が38万円以下の者であることが必要です。
 
また、棚卸資産もしくは事業用固定資産等または「生活に通常必要でない資産」のいずれにも該当しない資産であることが必要です。つまり、対象となるのは「生活に通常必要な資産」です。雑損控除の対象となる「生活に通常必要な資産」とは、家具、什器、衣服及びこれらに類する生活用動産で、通常の社会生活を営むのに必要とされる資産をいいます。
 
例えば、別荘など趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で保有する不動産(平成26年4月1日以後は同じ目的で保有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権など)も含まれます)や貴金属(製品)や書画、骨董など1個または1組の価額が30万円超のものなどは、「生活に通常必要でない資産」として雑損控除の対象となりませんので注意しましょう。
 

雑損控除の金額

雑損控除の金額は、次の二つのうちいずれかの計算式で求めた金額の多い方です。
 
(1) (差引損失額※)―(総所得金額等)×10%
(2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)−5万円
 
※差引損失額=損害金額+災害等に関連したやむを得ない支出の金額-保険金などにより
補てんされる金額
 
つまり、災害関連支出が5万円以上あれば、雑損控除が受けられるということです。
 
損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができます。なお、雑損控除は他の所得控除に先だって控除することとなっています。
 

災害減免法との関係

災害によって受けた住宅や家財の損害金額(保険金などにより補てんされる金額を除きます)が、その時価の2分の1以上で、かつ、災害にあった年の所得金額の合計額が1000万円以下のときに、災害減免法によりその年の所得税が次のように軽減されるか、または免除されます(1回のみの適用)。
 
軽減または免除される額は、所得金額が500万円以下のときは所得税の全額、所得金額が500万円超750万円以下のときは所得税の額の2分の1、所得金額が750万円超1,000万円以下のときは所得税の額の4分の1です。雑損控除と異なり税額控除です。
 
雑損控除と災害減免法は選択適用です。比較・検討して、有利なほうを確定申告しましょう。
 
参照
国税庁ホームページ タックスアンサー
 
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。