公開日:2019.11.25 税金

退職金と確定拠出年金の一括受取。2ヶ所以上から受け取った場合、退職所得控除の計算はどうなる?

最近では、企業が退職金全額を用意するのではなく、一部を企業が掛け金として拠出して、従業員が運用し、その結果を退職金もしくは年金形式で受け取る形をとっている企業が増えてきました。その際に気になるのが、受け取った退職金の所得控除の計算方法です。
 
企業型の確定拠出年金が導入されて10年以上経過した今、そのような悩みを持たれている方も多いと思います。今回は、そうしたケースにおける退職所得控除の計算方法について解説していきます。
 
新井智美

執筆者:

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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新井智美

執筆者:

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

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重複期間に注意する

2ヶ所以上から退職手当などを受け取る場合、その前の年より以前4年以内(ただし、確定拠出年金の老齢給付金として支給される一時金〈老齢一時金〉の支払いを受けた年分については、その前の年よりも以前14年以内)の間に「重複期間があるかどうか」がポイントとなります。
 
重複期間がある場合は、その年数に基づいて算出した退職所得控除額相当額を控除した残額が、退職所得控除額となります。以下の2つの例を参考に、さらにわかりやすく解説します。
 

退職所得控除額を使い切っているケース

例えば会社に20年間勤務し、2年前に退職して退職一時金900万円を受け取ったとしましょう(勤務期間:1997年4月1日~2017年3月31日)。
 
また、勤務期間中に企業型の確定拠出年金にも加入しており、加入後12年が経過した今年、その老齢一時金150万円を受け取ったとします(加入期間:2007年4月1日~2019年3月31日)。
 
この場合、企業型の確定拠出年金を受ける前の14年以内に退職一時金を受給していますので、そこで退職所得控除額を使い切っているかどうかがポイントになります。
 
20年間勤めた会社の退職所得控除額は、「40万円×20年間=800万円」となります。また、確定拠出年金での老齢一時金においても、退職所得控除額は「40万円×12年=480万円」です。
 
しかし、2007年~2017年までの10年間が重複しているため、確定拠出年金の加入期間から控除した金額が、老齢一時金を受け取ったときの退職所得控除額となるわけです。
 
具体的には、会社から受け取った退職一時金の控除額は800万円であり、退職一時金が900万円であったことから、退職一時金についての退職所得控除額は使い切っていることになります。
 
そして、確定拠出年金の加入期間との重複期間は10年間となりますので、「40万円×10年=400万円」を確定拠出年金の退職所得控除額から差し引かなければなりません。したがって、480万円から400万円を引いた80万円が、確定拠出年金の老齢一時金における退職所得控除額となります。
 

退職所得控除額を使い切っていないケース

上と同様のケースにおいて、会社での退職一時金が900万円ではなく、780万円だったと想定してみましょう。
 
その場合、退職所得控除額800万円に対し、受け取った退職一時金の方が少なくなるので、退職所得控除額は全部使い切れないことになります。その場合には、受け取った退職一時金の金額に対して、「みなし勤続年数」というものが使われます。
 
具体的に計算すると、「780万円÷40万円=19.5年」となり、19年間がみなし勤続年数として扱われることになります。
 
そうなると、確定拠出年金の加入期間との重複期間は9年となるため、確定拠出年金の老齢一時金を受け取った際の退職所得控除額は「40万円×9年間」つまり360万円となり、最終的な控除額は「480万円-360万円=120万円」となります。この120万円が、確定拠出年金の老齢一時金から控除できる退職所得控除の額となります。
 
基本的な退職所得控除額は、
1 勤務年数が20年以下の場合:40万円×勤務年数
2 勤務年数が20年超の場合:800万円+70万円×(勤続年数-20年)

で求められます。
 
今後は確定拠出年金の普及により、退職一時金と老齢一時金の受け取りにおける退職所得控除の知識を、より一層深めていく必要がありそうです。
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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