更新日: 2021.09.17 控除

子どもの国民年金保険料。親が納付すると節税になるって本当?

子どもの国民年金保険料。親が納付すると節税になるって本当?
日本国内に在住する全ての人は、20歳になると国民年金に加入する義務があります。
 
令和2年度の文部科学白書によると大学・短期大学への現役進学率が55.9%であることから、20歳の時点では半数近い人が学生ではないかと推定されますが、学生の場合、自身で毎月の国民年金保険料を支払うのは難しく、納付が猶予される学生納付特例制度の利用を検討する方もいるでしょう。
 
こうした状況で、学生の間は親が代わりに国民年金保険料を支払うこともあると思いますが、子どもの保険料を納付すると親の節税につながる場合があります。本記事では、その点について解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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国民年金とは?

国民年金について簡単に説明すると、国内在住の全ての人が20歳になったときに加入する公的年金です。
 
国民年金として給付されるのは、原則65歳から受給開始となる「老齢基礎年金」、基準に定められた障害を負った場合に受け取れる「障害基礎年金」、加入者が死亡したときに要件を満たした遺族に支払われる「遺族基礎年金」の3種類があります。
 
20歳から60歳になるまで原則として毎月保険料を納めることになり、令和3年度の保険料は月1万6610円です。なお、就職などで厚生年金の加入者となった場合、厚生年金の保険料には国民年金の分も含まれるため、同時に国民年金に加入していることになります。
 
老齢基礎年金を受給するには、保険料納付済期間および保険料免除期間の合計が10年以上という要件を満たしている必要があります。
 
20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)全ての期間で保険料を納めていれば、満額の年78万900円(令和3年度)を受け取れますが、さまざまな事情で保険料を納められないときは免除や猶予制度を利用することもできます。
 
この場合、将来の年金の受給額は減ってしまいますが、受給の権利を失うことはなく、10年以内であれば免除・猶予された期間の保険料を追納することで年金を満額に近づけることが可能です。
 

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子どもの国民年金保険料を親が支払うとどうなる?

20歳になったら国民年金への加入通知とともに保険料の納付書が届きますが、保険料は親などが納付しても問題はありません。
 
本人以外が国民年金の保険料を支払った場合、その保険料は支払った人の社会保険料(各種年金や健康保険)と同様に扱われるため、所得税の社会保険料控除が適用され、結果として節税につながります。ただし、注意事項として以下があります。
 

(1)社会保険料控除の対象となるには、国民年金加入者(子ども)と、その保険料を支払った人(親)が「生計を一」にしていること

例えば、学生であれば親と同居している場合や、仕送りをもらって一人暮らしをしている場合でも生計を一にしていると認められる状況であれば、社会保険料控除の対象となると可能性が高いといえます。
 
一方、社会人となって就職し、自分の給与で一人暮らしをしているが、年金保険料は親に支払ってもらっているという場合は対象外の可能性が高いといえます。
 

(2)自分以外の保険料を支払った人は年末調整または確定申告が必要

保険料を支払った人が給与所得者の場合、本人に関わる社会保険料は自動的に控除されますが、例えば子どもの社会保険料を支払ったことを勤務先が知る手段はありません。そのため、年末に保険料控除申告書の「社会保険料」欄へ記載する必要があります。
 
また、保険料を支払った人が自営業者であったり、年末調整時に申告を忘れていた、そのほかに確定申告の必要があるといった場合には、確定申告の際に社会保険料控除の手続きをします。
 

所得税はどの程度軽減される?

子どもの1年分の国民年金保険料を負担した場合、所得税にどの程度の節税効果があるのか計算してみます。

国民年金保険料(1年分):1万6610円×12ヶ月=19万9320円
 
この全額が社会保険料控除の対象となり、ここに所得税率を掛けると所得税がいくら減るか算出できます。税率は年間の所得金額によりますが、令和3年4月現在では5%~ 45%の7段階になっています。
 
例として、1年分の年金保険料を支払った人の年間の所得が330万円から694万9000円の間の場合、所得税の税率は20%の区分となるため、以下が軽減される計算となります。

税軽減額:19万9320円×20%=3万9864円
 

まとめ

今回は、子どもの国民年金保険料を親が支払った場合の税金への影響について解説しました。親にとっては節税に、子どもにとっては学生の間は保険料を負担することなく将来の年金額が確保できるため、どちらにとってもメリットがあるといえます。
 
出典
文部科学省 令和2年度 文部科学白書
日本年金機構 年金の制度・手続き
国税庁 No.1130 社会保険料控除
国税庁 No.2260 所得税の税率
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部