更新日: 2021.10.28 控除
妻が仕事復帰して年収200万円に…。夫が行うべき手続きとは?
年収200万円といえば、フルタイムないしフルタイムに近い形の働き方になります。妻の仕事復帰によって年収が200万円となった場合に夫が行う手続きについて、夫が会社員の夫婦を例に見ていきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
扶養のラインについておさらい
まずは扶養のラインについて簡単におさらいしていきましょう。扶養のラインはよく○万円の壁といわれることがあり、主なものには103万円の壁、106万円の壁、130万円の壁、150万円の壁、201万円の壁といわれるものがあります。
103万円の壁は、ここを超えなければ妻に所得税がかからず、かつ、夫も配偶者控除によって税金が安くなるというラインです。106万円の壁は、妻が勤務する会社の規模によっては夫の社会保険の扶養から抜けなければならないラインになります。
130万円の壁は、確実に夫の社会保険の扶養から抜けなければならないラインになります。150万円の壁は、夫の税金が安くなる配偶者特別控除が上限まで適用される限界のラインです。そして最後の201万円の壁は配偶者特別控除の適用がなくなってしまうラインです。
妻が仕事に復帰して夫に必要なのは社会保険の手続き
離職していた妻が仕事に復帰して年収200万円となったとき、会社員である夫の側において必要なのは、主に社会保険の手続きと所得税の手続きになります。この復帰について、再就職した場合と育休・産休している職場に復帰する場合とで分けて考えてみます。
妻が再就職した場合
妻が再就職したという場合、夫は勤務先にて社会保険の手続きが必要です。
社会保険の手続きにおいては、勤務先から「健康保険被扶養者(異動)届」を受け取り、それを記載したものを勤務先へ提出して、健康保険と厚生年金の扶養から外す手続きをします。そして、妻の保険証は会社に返還します。
また、所得税に関する手続きについては、年末調整の時期に会社から配布される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」などについての記載と提出が必要になります。
詳細については勤務先へご確認ください。
妻が育休・産休から以前と同じ職場へ復帰する場合
妻が育休・産休から元の職場に復帰する場合、必要なのは所得税の手続きのみです。すなわち、年末調整の時期に会社から配布される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」などについての記載と提出が必要になります。
こちらも詳細については勤務先へご確認ください。
夫が手続きをしないままだとどうなる?
もし、妻が仕事に復帰して年収200万円となったとき、夫の側において手続きを一切しないとどうなるのでしょうか。
所得税の手続きについては基本的に夫の税金が高くなって損をしてしまいます。こうなってしまうと、確定申告によって修正しなければなりません。
社会保険の手続きについては保険証が手元に残っていることで、本来無効であるはずの夫の会社から発行されている保険証を誤って使用してしまったり、紛失して返還できなくなってしまう恐れがあります。
そうなってしまうと、医療費の返還や紛失手続きを取るなど余計な手間も発生します。
上記のような不利益や問題が起きないようにするためにも速やかに手続きをすべきです。
妻が仕事復帰して年収200万円となったら夫の側でも手続きを
妻が仕事を復帰したという場合、妻だけでなく夫の側でも手続きが必要になります。手続きが遅れると社会保険について問題が起きたり、税金で損をして確定申告が必要なったりと不利益を被る可能性があります。
妻が仕事に復帰した場合、どういった手続きが必要になるのか、一度勤務先に確認しておくとよいでしょう。
執筆者:柘植輝
行政書士