更新日: 2021.12.18 ふるさと納税

今年も残りわずか。ふるさと納税のメリットと流れをおさらい!

今年も残りわずか。ふるさと納税のメリットと流れをおさらい!
これまでふるさと納税を行ったことのない方も、テレビCMなどで「ふるさと納税」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。やってみたいけれど手続きが面倒、難しそうと思ってまだやったことのない方もいらっしゃるかもしれません。
 
今回はやったことがない方だけでなく、ある方も再度ふるさと納税の仕組みや考え方を見ていきましょう。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

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そもそもふるさと納税って

2008年4月の地方税法等の改正によって、同年5月から「ふるさと納税」制度がスタートしました。ふるさと「納税」と言いつつ、実際は「寄付」にあたります。
 
現在の日本では都市部に人口が集中しており、また大企業・上場企業も大多数が都市部に集中しています。そうすると必然的に税収も都市部に集まるようになり、地方の税収が減ってしまいます。
 
そうなると地方の公共サービス等の低下がさらに進み、人口流出という悪循環になってしまいます。都会に出てきた人でも、ご自身の地元が衰退していくのを何とかしたいと思う人もいると思います。そんな時にご自身の地元に納税(寄付)ができるようになったのがふるさと納税です。
 
また、この制度は出身地やこれまでに住んだことのある自治体に限らず、好きな自治体に寄付を行うことができます。
 

具体的なメリットは?

ふるさと納税の最大のメリットは、寄付先自治体から受け取ることのできる各種返礼品です。その返礼品は原則として寄付金額の30%以内の地場産品で、人気の返礼品として肉・米・海産物・果物などが挙げられますが、工芸品、家電などを返礼品としている自治体もあります。
 
また、ご自身が選んだ自治体にふるさと納税を行った場合に、寄付額のうち2000円を超える部分について、上限はありますが、原則として所得税と住民税から全額が控除されます。
 
例えば、年収500万円の給与所得者の方で扶養家族が配偶者のみの場合、3万円のふるさと納税を行うと、2000円を超える部分である2万8000円(3万円-2000円)が所得税と住民税から控除されます。
 

(出典:総務省 ふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税のしくみ」(※))
 
ただし、上記の例は住宅ローン控除や医療費控除等、他の控除を受けていない給与所得者のケースとなります。年金収入のみの方や事業者の方、住宅ローン控除や医療費控除等、他の控除を受けている場合は異なってきますのでご注意ください。
 

ふるさと納税の流れは?

まずはふるさと納税のポータルサイトからご自身の欲しい返礼品を比較し、申し込み手続きを済ませると、自治体から返礼品・確定申告に必要な寄付を証明する書類(受領書)が送られてきてきます。また多くのポータルサイトでは、クレジットカードでの支払いに対応しているので手続きも簡単です。
 
最後に寄附金控除を受けることになりますが、その場合、「確定申告」と「ワンストップ特例」の2種類があります。
 
確定申告の場合は、ご自身で申告期間内に行うことによってふるさと納税を行った年の所得税から控除され、翌年度分の住民税が減額される形で控除されます。
 
ワンストップ特例の場合は、ふるさと納税をする際その自治体に「特例の適用に関する申請書」を提出する必要があります。ただし、この特例を受けるための条件として、

1.年収2000万円を超える給与所得者ではない
2.給与を複数から得ていない
3.6団体(自治体)以上のふるさと納税ではない

となります。
 
その場合は所得税からの控除は発生せず、ふるさと納税を行った翌年の6月以降に支払う住民税の減額という形で控除が行われます。
 
ワンストップ特例が利用できる場合の方でも、住宅ローン控除の手続きを行ったり、医療費控除をしたりするなど、別に確定申告を行う方はワンストップ特例の利用ができません。また、ワンストップ特例の申請を出していても、確定申告を行うことによって「ワンストップ特例は使わなかった」とみなされますので、確定申告を行う場合は寄附金控除の申告も忘れないように行わければいけませんね。
 

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2021年分から確定申告が簡素化される

これまで、確定申告で控除を受ける際に必要になる「寄付金受領証明書」は、寄付ごとに自治体から発行されていましたが、2021年分からは、確定申告書の作成時に国税庁長官が指定した「特定事業者」が発行する「寄付金控除に関する証明書」を添付すればよいことになりました。
 
ただし、複数サイトで寄付した場合は、そのサイトの数だけ「寄付金控除に関する証明書」が必要です。
 
控除される可能性がある方、気になる自治体がある方は、まだ時間がありますので検討してみてはいかがでしょうか。
 
(※)総務省 ふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税のしくみ」
 
(出典)
総務省 ふるさと納税ポータルサイト
国税庁「令和3年分の確定申告からふるさと納税(寄付金控除)の申告手続が簡素化されます」
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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