更新日: 2021.12.27 税金

消費税・地方消費税の申告をしなければならない人とは?

執筆者 : 林智慮

消費税・地方消費税の申告をしなければならない人とは?
年末調整が終わり、年が明けると確定申告の時期です。令和3年分の所得税の申告は令和4年3月15日までですが、個人事業主の消費税・地方消費税の申告は令和4年3月31日までです。
 
自分の所得に対して税金を支払う所得税と異なり、事業者は売上にかかる「預かった消費税」から経費にかかる「支払った消費税」を差し引いた残額を納付します。
 
ところで、消費税・地方消費税は確定申告が必要な人と不要な人がいます。申告をしなければならない人は、どのような人なのでしょうか。また、申告時に何を提出しなければならないのでしょうか。
 
林智慮

執筆者:

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

林智慮

執筆者:

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

消費税・地方消費税の申告をする必要がある人

令和3年分の消費税・地方消費税の申告をしなければならない人とは、


・法人でも個人でも基準期間(前々年(令和元年))の課税売上高が1000万円超である場合、

・1000万以下でも、特定期間(前年(令和2年)の1月1日から6月30日まで、法人の場合は期首から半年間)までに課税売上が1000万円超であるか、給与の支払額が1000万円超である場合

・1000万円以下でも、前年中に消費税課税事業者選択届出書を出して課税事業者になることを選択した場合

が、消費税課税事業者です。ただし、新しく法人を設立した場合、前々年の判断ができません。この場合、その事業年度開始の資本金や出資額が1000万円以上である法人は、課税事業者となります。
 
消費税の課税事業者であれば、今年分の売上が1000万円なくても今期の売り上げに課税されます。
 
基準期間である前々年の課税売上高が1000万円超であることが判明した場合は、「消費税課税事業者届出書(基準期間用)」を速やかに提出しなければなりません。
 
特定期間の場合は、「消費税課税事業者届出書(特定期間用)」を提出します。管轄の税務署に届け出をします。
 

申告不要の場合でも、あえて課税事業者を選択する場合も

ところで、翌年は前々年の課税売上高が1000万円未満になった場合は、速やかに「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」を提出します。消費税の課税事業者に該当するか否か、都度届け出をします。
 
その他に、基準期間の課税売上が5000万円以下である中小事業者は、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出できます。この制度は、実際の仕入れ控除額を計算しなくても、課税売上高に事業区分による見なし仕入れ率を掛けて仕入れ控除額を計算することができます。
 
やめたい場合は「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出しますが、簡易課税を選択してから2年継続した後でないと適用を辞めることはできません。ただし、災害による被害を受けた課税期間内の簡易課税制度の選択変更をする場合は、期日までに届けることで変更ができます。
 
また、自ら望んで「消費税課税事業者選択届出書」を提出する場合は、課税となる期間の開始の前日までに提出します。そして、やめたい場合も、該当する期間の開始の前日までに「消費税課税事業者届出書不適用届出書」を提出します。
 
基準期間1000万円以下の場合、本年分は非課税業者です。消費税の申告の必要はありません。それなのにあえて消費税課税事業者を選ぶのはどうしてでしょうか。
 
預かった消費税より経費に使った消費税が多い場合、確定申告によりその差額が還付されます。しかし、課税事業者を選択していないと確定申告ができません。簡易課税も同様に、支払った分の消費税が考慮されません。
 
事業の状態にあった制度の選択をしましょう。
 

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申請時、何を提出する?

消費税の申告をする場合、申告書には一般用と簡易課税用があります。簡易課税選択の届け出をしている場合に簡易課税用を使用します。
 

(1)一般用で消費税および地方消費税の確定申告をする場合

・確定申告書第一表(一般用)および第二表
・付表1-3税率別消費税額計算表件地方消費税の課税標準となる消費税額計算表(一般用)
・付表2-3課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表(一般用)
還付申告の場合(第一表の8欄に控除不足還付税額がある場合)は、「消費税の還付申告に関する明細書」も提出します(消費税非課税事業者では還付申請ができません)

また、課税売上5000万円以下の中小事業者は、以下の特例を適用できます。

1. 軽減売上割合の特例
2. 小売等軽減仕入割合の特例
3. 1や2の割合の計算が困難な場合は軽減税率の割合を50/100とすること

そして、これらを適用した際、

1の場合は、課税資産の譲渡等の対価の額の計算表〔軽減売上割合(10営業日)を使用する 課税期間用〕(売上区分用)
2の場合は、課税資産の譲渡等の対価の額の計算表〔小売等軽減仕入割合を使用する課税期間用〕(売上区分用)

を確定申告に添付して提出します。
 

(2)簡易課税の場合

・確定申告書第一表(簡易課税用)および第二表
・付表4-3税率別消費税額計算表件地方消費税の課税標準となる消費税額計算表(簡易課税用)
・付表5-3控除対象仕入税額等の計算表(簡易課税用)

その他、売上を税率ごとに区分することが困難な中小事業者が、軽減売上割合の特例を適用する場合は、課税資産の譲渡等の対価の額の計算表〔軽減売上割合(10 営業日)を使用する課税期間用〕(売上区分用)を確定申告書に添付して提出します。
 
申告書を作成する前に、青色申告決算書や収支内訳書、帳簿や固定資産を準備しておきましょう。売上、仕入の金額、取引明細や資産譲渡や取得が分かります。また、税務署からの「確定申告のお知らせ」も忘れずに。予定納税額などの申告に必要な情報が記載されています。
 
申告する際は、

1. マイナンバーが確認できる書類
2. 記載されたマイナンバーの持ち主である事が分かる書類

をお忘れなく。
 
出典
国税庁「消費税のあらまし 令和3年6月」
国税庁「一般用 令和3年分 消費税及び地方消費税の確定申告の手引き」
国税庁「簡易課税用 令和3年分 消費税及び地方消費税の確定申告の手引き 個人事業者用」
国税庁「確定申告期に多いお問い合わせ事項Q&A 【消費税及び地方消費税の申告等】」
国税庁「No.6505 簡易課税制度」
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者

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