更新日: 2022.02.25 確定申告

年金受給者が「確定申告」を行うと税金が戻ってくるケースとは?

執筆者 : 柘植輝

年金受給者が「確定申告」を行うと税金が戻ってくるケースとは?
確定申告は、自営業者や副業をしている会社員がするもの。そう思っている年金受給者の方はいらっしゃいませんか?
 
実は年金受給中の方であっても、確定申告をすることで税金が戻ってくる場合があるのです。今回は、年金受給者が確定申告によって税金が戻ってくるケースについて紹介します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

確定申告とは

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の収入や経費、控除などから税金を計算し、申告と納税を行うことをいいます。確定申告を行っている方の多くは、自営業者や副業で一定の収入がある会社員の方などとなっています。
 
一方、年金受給者の場合は、公的年金等の収入が400万円以下で、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下といった要件を満たせば確定申告が不要となるため、確定申告を行う方はそう多くはありません。
 

年金受給者でも確定申告をすると税金が戻ってくる?

年金受給者は一部の方を除いて確定申告が不要ではあるものの、確定申告をすることで税金が戻ってくる場合があります。
 
それは主に、雑損控除や医療費控除など各種控除が受けられる場合のほか、源泉徴収された報酬を受け取っていたり、年末調整を受けずに退職したような場合です。
 
控除を受ける場合の確定申告は義務ではなく任意ですが、確定申告をしないと控除が受けられず、税金分で損をしていることになります。そのため、控除の適用対象となっているのであれば、年金受給者も確定申告をするべきだといえます。それでは、年金受給者の方が確定申告を行うことで、税金が戻ってくる例について説明します。
 

各種控除が受けられる場合

年金生活者であっても、各種控除を適用できる支出が生じることがあります。
 
例えば、一定額以上の医療費を支払った場合には医療費控除の適用が受けられますし、対象となる災害や盗難に遭われた方は、雑損控除による控除を受けることができます。
 
その他、生命保険料を支払っている方は生命保険料控除、寄付やふるさと納税をされた方は寄附金控除を適用できる場合があります。 また、投資による配当所得が配当控除の対象となっている場合は、確定申告で税額控除を受けられます。
 
上記のような各種控除を受けると、課税対象となる所得が減ることで、年金から源泉徴収(あらかじめ税金相当額が差し引かれること)されている金額よりも税金額が少なくなり、差額分について還付を受けることができます。
 
年金生活者の方であっても、対象となる控除があるか、一度調べておくことをおすすめします。
 

源泉徴収された収入がある場合

例えば、業務委託として働いて収入を得たなど、あらかじめ源泉徴収された報酬を受け取った方は、確定申告をすることで払い過ぎた所得税の還付を受けられる場合があります。ただし、源泉徴収されている金額などによっては還付されないこともあります。
 

年末調整を受けずに退職した場合

年の途中で退職したため、年末調整を受けられなかったという場合、その後に年金を受給している方であっても、確定申告をすることで所得税が還付される可能性があります。
 

年金受給者でも確定申告をした方がいいこともある

確定申告が不要な年金受給者の方であっても、各種控除が受けられるような場合や、源泉徴収された収入があるような場合などは、確定申告によって税金が還付されることもあります。控除などを受けられる場合は確定申告について検討してみてください。
 
出典
国税庁 所得金額から差し引かれる金額(所得控除)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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