更新日: 2022.03.03 確定申告

専業主婦(夫)やパート主婦(夫)で確定申告が必要なケースとは?

専業主婦(夫)やパート主婦(夫)で確定申告が必要なケースとは?
会社員であれば、確定申告は会社が行っているので、基本的には自分で行う必要はありません。また、専業主婦(夫)の場合、まったく収入がない人は確定申告をする必要がありません。
 
しかし、専業主婦(夫)でも内職やネットオークションなどで収入がある場合には、確定申告をする必要があるケースがあります。また、パートで働いている主婦(夫)でも、確定申告をする必要があるケースがあります。
 
今回は、専業主婦(夫)やパート主婦(夫)で確定申告が必要なケースについて、解説します。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

確定申告とは?

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた、すべての所得の金額とそれに対する所得税、および復興特別所得税の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続きです。
 
例年、原則2月16日から3月15日までに確定申告を行う必要があります。
 
会社員の場合には、給与収入が2000万円を超えたり、副業で一定の収入があったりする人などを除いて確定申告は不要ですが、個人事業主やフリーランス、一定以上の公的年金を受給している人は、確定申告が必要です。
 
また、次に該当する主婦(夫)は確定申告が必要ですので、詳しくみていきましょう。
 

主婦(夫)で確定申告が必要なケース

(1)専業主婦(夫)

専業主婦(夫)でパートやアルバイトをしていない人でも、内職やネット等を使って収入がある人で、収入からその収入を得るための必要経費を差し引いた所得が、年間で基礎控除額の48万円以上あれば、確定申告をする必要があります。
 
ただし、これは簡易的な目安ですので、基礎控除以外に配偶者控除、社会保険控除、生命保険控除などの所得控除を差し引く必要があります。
 
これは、1人ひとり状況が異なるので、確定申告が必要か厳格な判断は、お近くの税務署や税理士などの専門家に確認するとよいでしょう。
 

(2)パート主婦(夫)

■パート先が1カ所のみのケース
このケースの場合は、パート先の企業が毎月源泉徴収を行い、年末には年末調整を行うので確定申告は必要ありません。
 
留意点としては、パートによる収入金額が103万円以下(給与所得控除額55万円と所得税の基礎控除額48万円の合計額)であれば、所得税がかかりませんが、年間103万円を超える場合には、所得税がかかります。
 
加えて、年間103万円を超える場合には、配偶者の扶養の対象から外れ、配偶者控除が受けられなくなるので注意が必要です。これは「103万円の壁」といわれるものです。
 
■パート先が2カ所以上の場合
複数のパート先から給与をもらっている場合には、年末調整を行わないパート先の給与収入が20万円を超えた場合には、基本的に確定申告が必要です。
 
ただし、20万円を超えていても確定申告をする必要のない場合もありますので、確定申告が必要かの厳格な判断は、お近くの税務署や税理士などの専門家に確認すると安心です。
 
■パート収入以外に内職などの副収入がある場合
このケースも「パート先が2カ所以上の場合」と同様、パート収入以外に内職やネットオークションなどの副業で20万円以上ある場合も、基本的には確定申告が必要です。
 
なお、これも「パート先が2カ所以上の場合」と同様、確定申告が必要かの厳格な判断は、お近くの税務署や税理士などの専門家に確認すると確実です。
 

確定申告を忘れた場合

所得税法では、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付することになっています。
 
この期限内に確定申告を忘れた場合は、期限後申告として取り扱われます。期限後申告をしたり、所得金額の決定を受けたりすると、申告等によって納める税金のほかに無申告加算税が課されます。
 
各年分の無申告加算税は、原則として納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額です。
 
50万円の15%でも7万5000円になり、痛い出費になりますので、確定申告が必要な人は忘れずに期限内に申告をしましょう。
 
出典
国税庁 確定申告が必要な方
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2024 確定申告を忘れたとき
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー
 

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