仮想通貨で利益が出た! 確定申告が必要になるのはどんな場合?

配信日: 2022.03.03

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仮想通貨で利益が出た! 確定申告が必要になるのはどんな場合?
仮想通貨(暗号資産)の取引によって利益が出た場合、確定申告が必要になるケースがあります。では、具体的にどのようなケースだと確定申告が必要になるのでしょうか。
 
今回は、仮想通貨(暗号資産)によって確定申告が必要になるケースを紹介するとともに、確定申告をする際の利益の計算方法についても解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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仮想通貨(暗号資産)における利益はどのような所得になる?

ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨(暗号資産)の取引によって利益を得た場合、その利益は原則として雑所得です。ただし、事業を営んでいる人の事業から生じた利益であれば、事業所得に該当します。
 

仮想通貨(暗号資産)の利益で確定申告が必要になるケース

では、具体的に仮想通貨(暗号資産)の利益を得て確定申告が必要になるケースとはどのような場合なのでしょうか。
 
国税庁のホームページによると、「給与の支払いを1カ所から受けており、給与所得および退職所得以外の所得の合計が20万円以上である」場合は確定申告が必要となっています。この場合であれば、仮想通貨(暗号資産)から得た利益を雑所得として申告しなければなりません。
 

仮想通貨(暗号資産)の利益の計算方法

では、仮想通貨(暗号資産)で得た利益はどのようにして計算するのでしょうか。
 
仮想通貨(暗号資産)の利益を計算する際には、取得価格を求める必要がありますが、それには「移動平均法」もしくは「総平均法」を用いて計算します。
 
「移動平均法」とは購入の都度取得価格を求める方法で、総平均法は1年間の購入平均レートをもとに計算した取得価額の合計と、売却合計金額の差額(所得)を計算する方法です。どちらかを選ぶ必要がありますが、選ばなければ個人の場合は、自動的に総平均法が適用されます。
 

■仮想通貨(暗号資産)の所得金額の計算

では、仮想通貨(暗号資産)の利益の計算方法について、ケースごとに解説します。

<仮想通貨(暗号資産)の売却>

1.10月2日に 400万円で4BTC(ビットコイン) を購入
2.10月20日に0.2BTC(ビットコイン)を21万円で売却

この場合の所得金額の計算方法は以下のとおりです。
譲渡価格(21万円)−(購入時の1BTCあたりの価格(400万円÷4BTC)×売却数量0.2BTC))=1万円

<仮想通貨(暗号資産)での支払い>

1.10月2日に 400万円で4BTC(ビットコイン) を購入
2.10月5日に40万円(税込)の商品を購入する目的で0.3BTCで支払い(支払時のレート:1BTC=135万円)

この場合の所得金額の計算方法は以下のとおりです。
税込商品価格(40万円)−(購入時の1BTCあたりの価格(400万円÷4BTC)×支払数量0.3BTC))=10万円

<仮想通貨(暗号資産)を交換>

1.10月2日に 400万円で4BTC(ビットコイン) を購入
2.11月2日に40XRP(リップル) を購入する際の決済に1BTCで支払い(取引時のレート:1XRP=3万円)

この場合の所得金額の計算方法は以下のとおりです。
XRP(リップル)の購入価格(3万円×40XRP)−(購入時の1BTCあたりの価格(400万円÷4BTC)×支払数量1BTC))=20万円

(国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて」(令和3年12月22日)より、一部引用・抜粋)
 

■利益を得たタイミングとは?

利益を計算するにあたり、その利益を得たタイミングについてもしっかりと把握しておく必要があります。具体的に、仮想通貨(暗号資産)の取引において利益を得たタイミングとは以下のケースを指します。

●仮想通貨(暗号資産)の売却時
●仮想通貨(暗号資産)での支払時
●仮想通貨(暗号資産)の交換時

つまり、利益を得たタイミングとは、その利益が口座に入金された時点といったタイミングではなく、仮想通貨(暗号資産)を手放した時点だということを覚えておきましょう。
 

まとめ

仮想通貨(暗号資産)の取引において、一定以上の利益を得た場合は確定申告が必要となります。その際には、暗号資産の計算書の作成が必要ですので、忘れないように作成し、申告書に添付するようにしましょう。計算書については、取引所から送られてくる年間取引報告書を基に、国税庁ホームページに用意されている「暗号資産の計算書」を用いて作成するとよいでしょう。
 
確定申告は翌年の2月16日から3月15日までに行う必要があり、納税もその間に行わなければなりません。取引所から送られてくる報告書に目を通し、確定申告の必要があると判断した場合は、早めに準備に取り掛かるようにしましょう。
 
出典
(※)国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて」(令和3年12月22日)
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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