更新日: 2022.03.05 確定申告

納付した国民年金保険料は、確定申告で所得控除が受けられるって本当?

納付した国民年金保険料は、確定申告で所得控除が受けられるって本当?
国民年金を納付すると確定申告で所得控除を受けられ、税金が安くなると聞いたことはありませんか?
 
何となく聞いたことはあっても本当に控除が受けられるのか、なぜ控除が受けられるのか知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
今回は、追納した国民年金の保険料について確定申告で所得控除を受けられるというのは本当なのか、理由も含め解説していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

国民年金保険料を納付すると確定申告で所得控除を受けられる

納付した国民年金保険料は社会保険料に該当するため、支払った金額について社会保険料控除として所得控除を受けることができます。
 
所得控除を受けると所得税と住民税の計算に当たり、控除の分だけ所得が下がります。そして、その分所得税や住民税が安くなります。
 
しかし、自営業者や無職の方などが社会保険料控除の適用を受けるためには確定申告が必要です。仮に国民年金保険料を支出したとしても、確定申告をしないままでは所得控除を受けられず、所得税と住民税が安くならないことにご注意ください。
 
なお、会社員など勤務先で年末調整を受けられる方は、確定申告によらずとも国民年金の保険料の支出について社会保険料控除の適用を受けることができます。
 
万が一、会社員の方などが勤務先で年末調整を受けられなかった、あるいは年末調整を受けたが支出した国民年金保険料分について、社会保険料控除による所得控除を受けられなかったという場合は、確定申告をすることによって所得控除を受けることができます。
 

国民年金保険料は家族の分を支払っても控除が認められる

国民年金保険料は自分の分だけではなく、生計を一にしている配偶者や親族が本来支払うべき分を肩代わりした場合も、その支払った全額をその年の社会保険料控除として所得控除を受けることができます。
 
例えば、父親が大学生の息子の国民年金保険料を払ったような場合、父親はその全額について社会保険料控除を受けられるということです。
 

確定申告で所得控除を受けるには?

納付した国民年金保険料について確定申告で所得控除を受けるには、納付した翌年の2月中旬から3月中旬に実施される期間内に確定申告をすることが必要になります。参考までに、令和3年分の確定申告は令和4年2月16日から3月15日までとなります。
 
確定申告に当たっては、添付書類として国民年金の保険料を納付したことを証する「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が必要になります。
 
この控除証明書は国民年金保険料を納付した時期によって送られてくる時期が異なります。令和3年度の場合、1月1日から9月30日までの間に納付した方には令和3年10月25日から11月上旬頃にかけて、10月1日から12月31日までの間に納付した方には翌年である令和4年2月上旬に届きます。
 
お手元に控除証明書が届いたら、紛失しないよう大切に保管するようにしてください。万が一紛失してしまっても、年金事務所へ依頼することで再発行が可能です。再発行には時間がかかるため、紛失したことが分かったら確定申告に間に合うように、早めに再発行の依頼をしてください。
 

複数年の分をまとめて支払った場合は?

国民年金保険料はいつの分を納付したかに関係なく、一括して支出した年の社会保険料として所得控除の対象となるか、各年分に相当する保険料を各年において控除するかどちらかが選べます。
 
例えば、2022年に本年分以降の国民年金保険料を2年分前払いしたり、2021年以前に猶予されていた期間分の保険料について2022年に一括追納したとしても、その全額が2022年の所得控除として扱われるということです。
 

国民年金保険料を納付したら確定申告で所得控除を忘れずに

支払った国民年金保険料は全額社会保険料控除として所得控除の対象となります。社会保険料控除として所得控除を受けるには、確定申告ないし年末調整を受けることが必要です。
 
国民年金保険料を支出したときは税金を安くするためにも、確定申告ないし年末調整を忘れずにするようにしてください。
 
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1130 社会保険料控除
日本年金機構 令和3年の社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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