更新日: 2022.03.10 確定申告

確定申告の申告期限を過ぎてしまった…。どれくらいペナルティが課される?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

確定申告の申告期限を過ぎてしまった…。どれくらいペナルティが課される?
曜日によって数日の誤差はありますが、確定申告の期限は、1月1日から12月31日までの所得をその翌年3月15日までに申請すると決められています。うっかりこの申告期限を過ぎてしまった場合、どのような問題が発生するのでしょうか。
 
こちらでは、申告期限を過ぎた場合のペナルティーについてみていきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

延滞税の発生

確定申告の期限である3月15日を過ぎてから行った申告は、期限後申告と呼ばれます。期限後申告になった場合には、遅れた日数分の延滞税が発生するため、申告が必要なことに気づいた時点で可及的速やかに手続きを済ませなければなりません。
 
延滞税というのは、納税期限までに納付されなかった税金に対して追加で発生するペナルティーです。本来納付しなければならなかった税金に対して、延滞税率と延滞した日数を乗じて365で割る計算になりますので、手続きが遅れるほど税額が高くなります。
 
また、延滞税率自体も法定納期限から遅れるほど高くなるため、日数の経過とともに負担は大きくなります。具体的には、法定納期限から2ヶ月以内に納付した場合の延滞税率は7.3%ですが、それ以降になると14.6%と倍の税率です。
 
例えば、10万円の税金に対して30日遅れた場合には10万円×0.073×30日÷365日=600円の延滞税になりますが、90日遅れると10万円×0.146×90日÷365日=3600円と大きな差になります。
 

公式サイトで申し込み

【PR】アイフル

aiful

おすすめポイント

WEB完結(郵送物一切なし)
・アイフルならご融資可能か、1秒で診断!
最短1時間でご融資も可能!(審査時間込)

融資上限額 金利 審査時間
最大800万円 3.0%~18.0% 1秒診断(※)
WEB完結 無利息期間 融資スピード
※融資まで 30日間 最短20分
※お申し込みの時間帯により翌日以降になる場合があります。
※診断結果は、入力いただいた情報に基づく簡易なものとなります。
 実際の審査では、当社規定によりご希望にそえない場合もあります。

無申告加算税の発生

期限後申告では、延滞税だけでなく無申告加算税というペナルティーも課されます。これは期限を過ぎてから経過した日数には影響されませんが、自主的に申告した場合と税務署の指摘を受けてから申告する場合で税率が異なるため、やはり早めに確定申告をするに越したことはありません。
 
計算方法は、本来納付すべき税金に所定の税率を乗じます。税務署からの指摘を受けて申告した場合、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の税率です。一方、自主的に期限後申告をした場合には5%ですが、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来するものは調査の事前通知の後に申告をした場合、50万円までは10%、50万円を超える部分は15%になります。
 
例えば税金が10万円の場合、税務署から指摘されて申告した場合は1万5000円、事前通知後ならば1万円、自主申告ならば5000円の無申告加算税が発生するということです。
 
以上のことから見ても、確定申告が必要と気づいたらすぐに申告したほうが、支出が少なく済みます。
 

青色申告特別控除額の減少

確定申告が必要な人のなかでも、個人事業主やフリーランスなど青色申告をしている人にとってはさらに重要なペナルティーが発生します。青色申告できるのは、不動産所得、事業所得、山林所得のみです。
 
青色申告をしている人は、条件に応じて65万円、55万円、10万円のいずれかの青色申告特別控除額を受けることが可能です。e-Taxによる申告や電子帳簿保存法に準拠して帳簿を保存している場合には最大65万円の控除を受けることができ、複式簿記による記帳をしているだけでも55万円の控除があるため、事業所得や不動産所得などがある人にとってはかなり税金面で優遇が受けられます。
 
期限後申告となった場合、55万円、もしくは65万円の控除を受けるための要件を満たしている人でも、10万円の控除しか受けられなくなるリスクが発生します。さらに、2期連続で期限後申告になった場合には、青色申告の承認が取り消されることもあるためかなりのデメリットです。一度青色申告の承認が取り消されると、次に承認申請ができるのは翌々期となるため、最大130万円の控除が受けられなくなるということです。
 

確定申告ありきで準備をしましょう

このように、悪気がない場合でも確定申告を期限内に行わなかったときのペナルティーは深刻です。年度ごとの収入等によって、確定申告の要不要は異なってきますが、基本的には確定申告をしなければならないものと考えたうえでその年の収入から判断をするようにしましょう。申告期限間際になって焦らないためにも、確定申告ありきで準備をしておいたほうが安心です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー