更新日: 2022.03.10 確定申告

フリマアプリでいくら稼いだら税金を支払わないといけない?

フリマアプリでいくら稼いだら税金を支払わないといけない?
読まなくなった本や着なくなった服などを売ってお金にできるのが、フリマアプリの長所です。
 
しかし「売った代金が入ってくる以上、税金を払わなくてはいけないのでは?」と不安になっている人もいるかもしれません。払わなくてはならない条件に該当したにもかかわらず払わなかったのでは、後々大変なことになります。
 
そこで、フリマアプリで稼いだ場合、いくら以上なら税金(所得税)を払わないとならないのか、あらかじめ理解しておきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

「何を売ったか」によって異なる

結論からいうと、フリマアプリで稼いだ場合の税金は「何を売ったか」によって全く扱いが異なります。基準となるのは所得税法による規定です。所得税法9条第1項第9号では「生活用動産を売却したことで得た所得については、所得税を課さない」という旨の規定が設けられています。つまり、フリマアプリで稼いだお金が「生活用動産の売却による所得」に当たる場合、税金はかかりません。
 
一方、当たらない場合は税金がかかるため、年間の売り上げが20万円(専業主婦・学生など他に収入がない場合は年間48万円)を超えた時点で所得税の申告・納税をしなくてはなりません。
 

税金がかからない(確定申告が不要な)場合の具体例

生活用動産とは、家具、什器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産の譲渡による所得です。そのため、自分や家族の生活に使っていたもので、もう使う予定がないものを売るのであれば、ほとんどが「生活用動産の売却」の範疇に含まれるでしょう。
 
例としてもっとも分かりやすいものは、自分や家族が着なくなった服や使わなくなったバッグ、おもちゃなどをフリマアプリで売って得た収入です。これらについては、所得税もかからないため、所得税の確定申告もする必要がありません。ただし、貴金属や宝石、書画、骨董などで、1個または1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は除きます。
 

税金がかかる(確定申告が必要な)場合の具体例

逆に、家にあるものだったとしても、生活に通常必要ではないものをフリマアプリで売った場合は、所得税がかかります。分かりやすい例としては、亡くなった家族が大切に集めていたレコードや珍しい同人誌などが挙げられるでしょう。これらは、おおよそ普段の生活には必要ありませんが、欲しい人にとっては多額のお金を支払ってでも欲しいものです。
 
生活用動産以外のものを売った場合は、フリマアプリから入金された金額から取得費(例:レコードを買った時の値段)および経費(例:送料)を差し引いて利益を計算しなくてはなりません。そして前述の通り、この利益(所得)が年間20万円(専業主婦・学生など他に収入がない場合は年間33万円)を超えてくる場合は、所得税の確定申告をしなくてはなりません。
 
なお、年間20万円(または年間33万円)を下回っていた場合、所得税の確定申告は不要です。忘れずに市区町村役場に出向き、手続きを済ませましょう。
 
また、家族が普段使っていたものであっても、ブランド物のアクセサリーなどを売却する場合は注意しましょう。生活用動産に含まれるものであっても、売却単価(1個または1組の値段)が30万円を超えていた場合は所得税の確定申告をする必要があります。
 

一時所得の控除額にも注目

なお、フリマアプリを本格的な副業として行っているなどの一部の例外を除き、フリマアプリで稼いだお金は雑所得(譲渡所得)として扱われます。そして、雑所得は「総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)」という式で計算されますが、言い換えると「利益が50万円までなら税金がかからない」という意味にもなるのです。
 
このような状況を考えると、フリマアプリで稼いだとしても、税金がかかるケースはごくわずかです。高額なアクセサリーや美術品、レア度が高いコレクターグッズを売ったのでもない限りは、確定申告は必須でないと考えましょう。
 

フリマアプリで税金がかかる可能性は低いけど

しかし、自分では生活用動産だと思っていたとしても、税務署の判断では生活用動産に該当しない可能性もあります。そのため、フリマアプリで稼いでいた場合は、一度タイミングをみて税務署に相談し、自分の場合は所得税の確定申告が必要になるのかを確認しましょう。
 
出典
国税庁「タックスアンサーNo.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法」
国税庁「確定申告が必要な方」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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