更新日: 2022.03.23 確定申告

サラリーマンが確定申告をして還付金が戻ってくるのはどんなケース?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

サラリーマンが確定申告をして還付金が戻ってくるのはどんなケース?
サラリーマンの税金に関する手続きは、基本的に会社の経理が行ってくれます。そのため、確定申告は、基本的に必要ありません。しかし中には、還付金が戻ってくるため、サラリーマンであっても確定申告をした方がよい場合もあります。
 
では、サラリーマンが確定申告をしたら還付金が戻ってくるのはどのような場合なのか、代表的なパターンを解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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医療費控除

サラリーマンが確定申告をした際に還付されるものとして代表的なのは、医療費控除です。1年の内に実際に支払った医療費は、確定申告をすると、最高で200万円までが所得控除の対象となります。
 
ただ、支払った医療費全額が控除対象になるのではなく、まず生命保険や健康保険で補填された分は引かれます。また、年間総所得が200万円以上の人は、そこからさらに10万円を引きます。
 
その額に、課税所得金額に応じた税率を掛けた額が、還付金として戻ってくる形です。医療費控除の対象範囲は非常に広く、診療や手術はもちろんのこと、医師から処方された薬の代金や、通院にかかった交通費なども加算することができます。
 
また、配偶者や親、子どもなど、同居している家族の医療費であれば、扶養の有無に関係なく医療費控除の対象にできます。
 
ただ、医療費控除の対象になるのは、あくまでも健康目的の治療を受けたり、薬を購入したりした場合のみです。美容整形外科などでの審美治療は、対象外になるので注意しましょう。歯の治療であっても、審美目的だと控除の対象外になることがあります。
 

ローンを組んで住宅を新築で購入したりリフォームをしたりした場合

サラリーマンが住宅ローンを組んで、新築の家を建てたり増改築をしたりする場合に、還付金を受け取るためには1年目は確定申告が必要です。住宅借入金等特別控除を利用する形で、基本的には入居してから10年間、住宅ローン分の所得控除が受けられます。
 
この住宅借入金等特別控除を利用するためには、所得金額の上限や、住宅の床面積が一定の基準以下であることなど、さまざまな条件を満たさなければなりません。
 
増改築の場合は大規模であることや、工事の対象となる設備の種類などが条件となります。そのため、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
 
また、住宅を省エネ化したり、バリアフリー化したりした場合は、特定増改築等住宅借入金等特別控除を追加で利用できることがあります。その場合も、住宅借入金等特別控除と同じように確定申告を行うと、還付金が戻ってくる形です。
 
そして、省エネが一定の基準を満たしていることや、バリアフリー設備の種類など、控除を受けるための条件がある点も同様です。
 
基本的には住宅借入金等特別控除と特定増改築等住宅借入金等特別控除は併用可能で、新築を購入したときのローンが残っている状態で増改築をした場合は、控除の追加ができます。
 

特定支出控除を利用する場合

サラリーマンの仕事に関する支出が一定の基準を上回ったとき、確定申告をすることで、特定支出控除という形で還付金が戻ってきます。
 
通勤費や仕事上発生した旅費、仕事に必要な資格を取得するための費用などが対象です。それらの額が給与所得控除額の2分の1を超える場合、最高で125万円までが所得控除の対象となります。
 
サラリーマンは個人事業主と違って、経費の控除は受けられないというイメージを持たれがちですが、実際には違います。仕事に直接関係のある出費と認められれば、図書購入費や交際費なども特定支出控除の対象となり、一部が還付金となって戻ってきます。
 
ただ、確定申告をし、確かな出費があったことを証明する書類を用意しなければ、特定支出控除は受けられないので注意しましょう。
 

確定申告をするだけで還付金が戻ってくるかもしれない

サラリーマンだからといって、確定申告はしないものと決めつけていると、還付金分を過剰に納めてしまう恐れがあります。もしかすると、すでに、確定申告をするだけで、還付金が戻ってくる状況にあるかもしれません。
 
そのため、確定申告によって戻ってくる還付金がないか、ひととおり確認し、控除の対象であれば、多少面倒でも確定申告をしましょう。還付もれがあった場合でも、5年間さかのぼって申告することができます。
 
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1217 借入金を利用して省エネ改修工事をした場合(特定増改築等住宅借入金等特別控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1218 借入金を利用してバリアフリー改修工事をした場合(特定増改築等住宅借入金等特別控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1415 給与所得者の特定支出控除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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