更新日: 2022.04.15 その他税金

成人年齢の引き下げと関係のある税金制度は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

成人年齢の引き下げと関係のある税金制度は?
2022年4月1日より、成人年齢が「20歳」から「18歳」に引き下げられました。成人年齢の引き下げは民法の定める「成年年齢」を改正しているため、連動して税金の成人年齢も影響を受けています。
 
そのため、2002年4月2日~2004年4月1日生まれの方は、税金の控除が減ってしまう、あるいは税金を支払うなどのケースが発生します。
 
本記事では、成人年齢の引き下げで影響を受ける税金について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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成人年齢の引き下げで影響を受ける税金

成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることで「20歳」「未成年者」を基準としている「相続税・贈与税」と「個人住民税」が影響を受けます。図表1は成人年齢の引き下げで影響を受ける税金を簡単にまとめたものです。

図表1

内容
相続税 被相続人(亡くなった人)から相続によって財産を取得した場合に課される税金
贈与税 1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額を差し引いた残りに対して課される税金
個人住民税 市町村が行政サービスの活動費に充てるために、地域に住む個人に対して課す税金

筆者作成
 
なお、所得税や消費税などの税金や国民年金などは今回の成人年齢の引き下げで影響を受けません。
 

相続税・贈与税への影響

今回の成人年齢引き下げによって、相続税・贈与税を計算する際に20歳が基準になっていた控除や特例が18歳に変更されます。
 
相続税の場合、相続人が未成年者の場合、相続税からの一定額の控除(未成年者控除)が適用されます。未成年者控除額は改正前だと、未成年者の年齢が満20歳になるまでの年数1年につき10万円の計算です。
 
例えば、相続人の年齢が14歳3ヶ月の場合、3ヶ月を切り捨て、20歳までの年数を6年とし、未成年者控除額は6年×10万円で、60万円となります。
 
しかし、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられると、未成年者控除額は4年×10万円で、40万円に減額されます。
 
そこで、影響を受ける相続税・贈与税には未成年者控除以外に、図表2の制度や特例があるので参考にしてください。
 
図表2

内容 影響を受けるポイント
相続時精算課税制度 2500万円まで贈与税を納めずに贈与を受けられる制度 贈与を受ける適用要件の年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に変更
事業承継税制 後継者が先代経営者から株式や事業用資産などを贈与・相続した際、贈与税・相続税の納税が猶予、もしくは免除される制度 贈与を受ける適用要件の年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に変更
贈与税の税率の特例 贈与税は基礎控除額110万円を差し引いた残りの金額に税率を乗じて税額を求める 一般税率と特例税率の適用要件の年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に変更
直系尊属から結婚・⼦育て資⾦の⼀括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置 20歳以上50歳未満の受贈者が、結婚・子育て資金として受贈者の直系親族から金融機関との一定の契約に基づいた贈与をされたときの非課税制度 受贈者の適用年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に変更

筆者作成
 
なお、影響を受ける相続・贈与は2022年4月1日以降に取得する財産が対象です。
 

個人住民税への影響

成人年齢が引き下げられると、個人住民税の非課税対象者から外れる場合があります。個人住民税の非課税対象者は、「1月1日現在、未成年者・障害のある方・寡婦(夫)・ひとり親の場合、前年の合計所得金額が135万円以下」が該当します。
 
非課税対象者から外れてしまうと、18~19歳で前年の合計所得が135万円以下(給与収入のみで204万3999円以下)の方でも、住民税を支払う必要があります。
 
アルバイトやフリーター、会社に就職しており給与をもらっている方は、住民税の支払いは就業先が代わりに行ってくれているため、特別な手続きは必要ありません。しかし、個人事業主として稼いでいる方は確定申告をして、毎年5~6月頃に届く通知書に従い支払う必要があります。
 

成人年齢が引き下げられると税金への影響もある

成人年齢が20歳から18歳へと引き下げられると、主に相続税・贈与税と個人住民税に影響があります。相続税・贈与税の場合、未成年者控除額の計算方法が変わり、最大20万円の控除が受けられなくなります。
 
個人住民税の場合、未成年者の定義が18歳未満の者となるので、18~19歳の方で前年の合計所得が135万円以下であっても、住民税を支払う必要があるため、手取りが少なくなる可能性があります。
 
2002年4月2日~2004年4月1日生まれの方は2022年4月1日時点で成人扱いとなります。心当たりのある方は、相続税・贈与税や個人住民税などを確認してみましょう。
 
出典
国税庁 No.4164 未成年者の税額控除
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
一般社団法人 全国銀行協会 Q. 「相続時精算課税制度」を活用したいのですが、注意すべき点は?
中小企業庁 事業承継税制(贈与税・相続税の納税猶予及び免除制度)について
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
総務省 個人住民税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員