更新日: 2022.05.13 その他税金

どうすれば住民税が非課税になる? 合計所得45万円超でも非課税になる場合って

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

どうすれば住民税が非課税になる? 合計所得45万円超でも非課税になる場合って
住民税は合計所得金額が45万円以上(給与収入のみで同一生計配偶者及び扶養親族がいない人なら100万円以上)の場合に課税されます。しかし、中には合計所得金額がそれ以上あっても住民税が非課税となる場合もあります。
 
一体、どのような場合に住民税が非課税となるのでしょうか。ここでは、合計所得金額が45万円以上あっても住民税が非課税となるケースについて詳しく説明していきます。
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住民税の概要

住民税は「均等割」と「所得割」の2つがあります。「均等割」は1月1日時点で住所がある自治体に対し、平等に支払うもので5000円です。
 
均等割は合計所得金額が45万円以上(給与所得のみの人で同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合だと100万円以上)ある人ならばかかります。「所得割」は合計所得金額から所得控除を引いた課税所得金額に税率をかけ、ここから調整控除額や税額控除額を引いたものです。
 
なお、合計所得金額とは1年間に得た所得の合計で、給与所得のほか、雑所得や不動産所得なども含みます。雑所得とは、個人事業主として在宅ワークをする人の収入などです。なお、5年以上保有していたものを売却したときや、生命保険の一時金、懸賞の賞金などはその2分の1を所得とします。
 
この合計所得金額が45万円を超える場合は住民税が課税されます。なお、給与所得のみで同一生計配偶者及び扶養親族がいない人は合計所得金額が100万円以上の場合に課税されます。
 

均等割も所得割もかからないケース

住民税は合計所得金額が45万円以上であっても、生活保護を受けている世帯は非課税となります。また、前年の合計所得金額がそれぞれの自治体の定める金額以下の場合は、均等割も所得割もかかりません。
 
自治体の基準は地域ごとの生活水準などを考慮して決められていて、東京都の場合、35万円×(1人+子どもを含む被扶養者の数)+31万円となります。
 
本人が障がい者や寡夫あるいは寡婦(配偶者と死別した人)、ひとり親の場合は、前年の合計所得金額が135万円(給与所得のみならば204万4000円未満)の場合も非課税となります。
 

所得割がかからず均等割のみを払うケース

合計所得金額が一定以下の場合、所得割がかからないケースがあります。まず、自治体が定める基準を下回る場合です。例えば東京都では、合計所得金額が35万円×(1人+子どもを含む被扶養者の数)+42万円以下の場合、所得割がかかりません。
 
また、合計所得金額よりも住民税の所得控除が上回るケースでも、所得割は非課税となります。所得控除には次のようなものがあります。
 
・基礎控除
合計所得金額が2500万円以下の人なら、最大43万円が合計所得金額から控除されます。
 
・社会保険料控除
本人あるいは家族が負担しなければならない国民年金保険料、健康保険料、介護保険料などを支払った場合は、前年に支払った保険料の合計を合計所得金額から引くことができます。なお、給与からあらかじめ引かれている社会保険料は、この社会保険料控除の対象となりません。
 
・生命保険料控除
本人あるいは家族が受取人の生命保険料を支払っている場合は、最大2万8000円を住民税の計算から引くことができます。なお、2011年12月31日以前の保険契約については、上限が3万5000円です。
 
・配偶者控除/配偶者特別控除
配偶者の、前の年の合計所得金額が113万円以下の場合、最大33万円(70歳以上の配偶者なら38万円)が合計所得金額から控除されます。
 
・勤労学生控除
本人が大学生あるいは高校生で、合計所得金額が65万円以下の場合には26万円が控除されます。なお、65万円のうち給与所得以外の所得(雑所得など)は10万円以下でなければなりません。
 

非課税となる基準は自治体によって異なる

合計所得金額が45万円以上でも生活保護を受けている場合や家族構成によっては、住民税が非課税となるケースもあります。それぞれの自治体が定めた基準に満たない場合、住民税が非課税となります。
 
また、合計所得金額を所得控除が上回る状態では、住民税の所得割が非課税となり、均等割のみを払うことになります。自治体ごとの基準に関しては、お住まいの自治体に問い合わせてみてください。
 

出典

厚生労働省 資料1生活保護基準の級地制度の検証(案)
国税庁 合計所得金額
東京都主税局 個人住民税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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