更新日: 2022.06.15 その他税金

不動産売却にかかる税金には、どんなものがある? 基礎知識や節税対策をチェック

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

不動産売却にかかる税金には、どんなものがある? 基礎知識や節税対策をチェック
戸建てやマンションなどの不動産を売ると多額の収入を得られます。しかし、出ていくお金もあるので喜んでばかりはいられません。
 
特に注意が必要なのは、売却に伴う税金を支払う必要があることです。課税の項目は複数に及ぶため、それらを把握して少しでも減らす努力をしましょう。
 
本記事では、不動産売却にかかる税金の基礎知識を紹介し、具体的な節税対策についても解説します。
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税金の種類について把握

不動産売却に伴って支払う税金は、以下の4種類です。概要を紹介するので、基礎知識として押さえておきましょう。
 

所得税

個人が不動産売却で得る利益は譲渡所得と判断され、給料や報酬と同様に、国から所得税を課されます。売却価格から取得の費用と特別控除額を差し引き、その課税対象の金額に税率を乗じて、課税額を算出します。
 

住民税

自分が住んでいる自治体にも、不動産売却の利益に応じて個人住民税を納めなければなりません。略して住民税と呼ばれることも多く、計算の仕方は基本的に所得税と同じですが、税率はそちらよりも低く設定されています。
 

印紙税

売主と買主が不動産売却の取引を行う際、両者の間で売買契約を締結することになります。その契約書には印紙を添付する必要があり、それを購入する際に支払う代金は、印紙税という税金です。
 

登録免許税

不動産を売主が買主に売却すると、所有者の名義を変更しなければなりません。不動産の登記に関わる手続きであるため、登録免許税を納める義務があります。
 
ただし、所有権移転登記の分は買主が負担し、売主は住宅ローンの抵当権抹消登記の分のみを支払うのが一般的です。
 

経費の計上による節税対策

上記の4種類のうち、所得税と住民税は経費の金額が大きいほど、課税額が小さくなります。
 
つまり、経費をしっかり計上することが、不動産売却における節税対策の基本です。そのため取引が終わっても、経費の支払いに関する書類を保管しておきましょう。証憑(しょうひょう)として重要であり、確定申告書を作成する際の計算にも利用します。
 
経費の中心になるのは、かつて自分が不動産を買ったときの費用です。具体的には、不動産の購入代金や仲介手数料などが挙げられます。
 
ただし、購入代金に関しては減価償却費を引かなければなりません。また、自分が売却するときの費用も経費として計上できます。例えば、土地の測量や建物の解体にかかった代金などです。
 

特別控除の制度を活用

課税額を下げる方法として、特別控除の制度を使うことも挙げられます。経費と同様に売却価格から差し引けますし、金額が大きいので、節税対策として非常に有効です。
 
代表的なのはマイホームを売却する際に受けられるもので、住み替えなどの際によく利用されています。
 
買主と売主に夫婦関係がないことなど、特定の要件をすべて満たすと、最大で3000万円まで控除が可能です。つまり、売却価格が3000万円以下なら、課税されない可能性もあるのです。
 
このほかにも、いくつかの特別控除が設けられているため、自分も使えないか調べてみましょう。例えば、公共事業の都合に合わせて売る場合や、相続した空き家を売却する場合に受けられる制度もあります。
 

安心して確定申告できるように努めよう!

不動産売却で手元に残るお金を多くしたいなら、支払う税金を減らすことが大きなポイントです。そのためには、まず税金の種類と特徴を正しく把握しなければなりません。
 
そのうえで、経費の計上と特別控除の重要性を理解することも大事です。確定申告の時期に困らないように、取引の段階から節税対策を意識して行動しましょう。
 

出典

国税庁 土地や建物を売ったとき
東京都主税局 個人住民税
国税庁 印紙税の手引き
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.7190 登録免許税のあらまし
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.3302 マイホームを売ったときの特例
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.3552 収用等により土地建物を売ったときの特例
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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