年金受給者だけど確定申告が必要? 申告不要なのはどんなケース?
配信日: 2022.06.19
しかし、そう思い込んでいると、後で困る可能性があるので注意が必要です。本記事では、年金受給者に確定申告が必要かどうか、解説していきます。また、確認する方法も紹介するのでチェックしておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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原則的には年金受給者も必要
大切な前提として、年金も収入の一種であることを忘れてはいけません。つまり、給与や不動産売却益などと同様に、原則的には課税の対象になります。申告書には年金の欄がありますし、国税庁が毎年作成する手引きでは、記入の仕方が説明されています。
会社員として過ごしてきた人は、企業が年末調整をしてくれるので、ずっと確定申告と無縁だったケースもあるでしょう。
しかし、退職して年金受給者になった場合、これからは自分で申告して納税する必要があります。とはいえ、実際にはそうしていない年金受給者もたくさんいます。それは脱税しているわけではなく、国が定めた一定の要件を満たすことで不要になる制度があるからです。
確定申告が不要になるケースは?
「確定申告不要制度」と呼ばれる制度は、高齢者などの負担を軽減するために設けられました。以下の2点を満たしていれば、年金を受給していても確定申告をする必要はありません。
【1】公的年金等の収入が400万円以下
1点目は、年間に受け取った年金の合計が400万円を超えていないことです。これには国民年金だけでなく、厚生年金や確定拠出年金なども含まれます。
そのため、人によって合算する数が異なるので気を付けましょう。また、それらの年金はすべて源泉徴収の対象でなければなりません。
【2】公的年金等にかかる雑所得以外の所得金額が20万円以下
2点目は、年金以外の所得の合計が20万円を超えていれば、年金の合計が400万円以下であっても確定申告が必要です。
このような所得の例として、企業の役員報酬やアパートの家賃収入、株式の配当金などが挙げられます。生命保険の返戻金といった一時所得も同様です。
確定申告が必要か確かめる手段
確定申告が必要かどうか確認したいなら、自分が上記の要件を満たすのか調べなければなりません。1点目については、公的年金等の源泉徴収票を用意して、支払金額の欄に書かれている数字を見ると分かります。
複数の年金を受給している場合は、各源泉徴収票に記載された金額を合算し、400万円以下かどうか確かめましょう。源泉徴収票は日本年金機構から1月ごろに送られてきます。
2点目に関しては、自分で保管している給与明細や通帳をチェックすることが基本です。
それらの情報をもとに、年金以外の所得が20万円以下なのか計算して判断します。計算が難しいと感じるなら、税務署の申告相談会や国税局の電話相談センターを利用するという手もあります。
制度の知識を身につけて適切な判断を!
年金受給者によって、確定申告の必要性は異なります。ポイントになるのは「確定申告不要制度」であり、どのような場合に適用されるのか、把握しなければなりません。2つの要件が設けられているため、それぞれの詳細を理解しておくことが重要です。
公的年金などの源泉徴収票による確認方法などを押さえ、正しい判断ができるようになりましょう。
出典
国税庁 確定申告が必要な方
国税庁 令和3年分所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き
国税庁 公的年金等を受給されている方へ
国税庁 国税に関するご相談について
政府広報オンライン ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度
日本年金機構 所得税等の確定申告が不要になるのはどのような場合ですか。
日本年金機構 令和3年分公的年金等の源泉徴収票
日本年金機構 令和4年1月8日から順次「令和3年分公的年金等の源泉徴収票」を発送します
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部