更新日: 2022.07.10 その他税金

住民税の減免制度とは? 対象になる場合と申請の方法を紹介

住民税の減免制度とは? 対象になる場合と申請の方法を紹介
住民税は前年の所得をもとに決まるため、失業や病気・けがなどで収入の状況が悪化した結果、住民税の支払いが苦しくなった経験がある人もいるでしょう。
 
そのような場合の救済措置として、住民税には税額の減免や徴収の猶予といった制度が用意されています。
 
本記事では、住民税の減免を受けられる条件や減免額の算出方法、徴収猶予制度の概要などをまとめました。住民税の納税に困った際の参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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住民税の減免制度

住民税には、経済的な理由などで納税が困難な人の税額を減免する制度があります。
 
減免の対象となるのは、次のような人です。なお、こちらは東京都千代田区の例で、自治体により詳細な条件が異なる可能性がありますので、詳細はお住まいの自治体窓口に問い合わせて確認してください。

・生活保護法にもとづく保護やその他の扶助を受けている
・病気やけが、失業、倒産などによる所得や財産の喪失や極度な減少により、生活が著しく困難である
・災害や盗難によって財産が大きな被害を受けた
・病気やけがなどによる異常な出費で生活が著しく困難となった

ただし、上のような状態にあっても、次のような場合は減免を受けられないことがあるため注意が必要です。

・居住用以外の土地や建物を所有している
・規模の大きな居住用の土地や建物を所有している
・ぜいたく品を所有、賃借している

 

減免を受けられる住民税の範囲と金額

減免を受けられる住民税は、減免の申請日時点で納期限を過ぎていないものだけです。減免申請が認められても、納期限を過ぎた部分については減免を受けられません。
 
減免の金額は、減免事由が発生した月から12ヶ月間の算定所得額(※1)と生活基準額(※2)を比較して図表1のように算出されます(東京都千代田区の例)。
 
【図表1】

要件 減免額
生活保護法の適用を受け、算定所得額が生活基準額以下 減免対象税額の全額
算定所得額が生活基準額の1.1倍以下 減免対象税額の2分の1
算定所得額が生活基準額の1.1倍超、1.2倍以下 減免対象税額の4分の1
算定所得額が生活基準額の1.2倍超 減免なし

出典:千代田区 住民税 救済制度
 
(※1)見積所得額から異常出費額を差し引いた金額
・見積所得額:地方税法上の合計所得金額、非課税所得、公的給付、預貯金などの合計額(見込額を含む)
・異常出費額:医療費、葬祭費、傷病、死亡、災害、盗難などによる損害額などから保険金などで補てんされる額を差し引いた額(見込額を含む)
 
(※2)生活保護法による生活扶助、住宅扶助、教育扶助を受ける場合の1年分の扶助額の合計額
 

住民税減免の申請方法

住民税の減免を受けるには、申請書類の提出が必要です。減免の事由を証明する次のような書類を用意し、減免の申請書とともに、お住まいの自治体の税金担当窓口に提出しましょう。

・生活保護法の規定による保護を受けている場合:保護開始決定通知書または受給証明書
 
・所得や財産の喪失や極度な減少により、生活が著しく困難な場合:生活状況を証明する書類(医師の診断書、雇用保険受給者資格証、税務署の廃業証明書、年金証書、給与支払明細書、預貯金通帳など)
 
・災害や盗難によって財産が大きな被害を受けた場合:り災証明書
 
・病気やけがなどによる異常な出費によって生活が著しく困難となった場合:医師の診断書、医療費の明細書など

申請書類の提出期限は、減免を受けようとする住民税の納期限までです。納期限を過ぎると次期分以降しか減免を受けられなくなるため注意しましょう。
 

住民税には徴収の猶予制度もある

住民税を一度に全額納付することが困難な場合、1年以内の期間に限り徴収の猶予を受けられる制度もあります。猶予を受けられるのは、次のような場合です(東京都千代田区の例)。

財産が災害や盗難の被害を受けた

同一生計の親族が病気やけがをした

事業廃止や休止または著しい損失を受けた

 
猶予を受けたい場合は、減免を受ける場合と同じく申請書に猶予が必要な事由を証明する書類を添付して、自治体の窓口で申請しましょう。
 

住民税の納付が困難な場合は早めに減免や猶予の相談を

経済的な理由などで住民税の納付が困難なときは、減免や猶予の制度を利用できる場合があります。自治体により制度の利用条件が異なるため、必ずお住まいの自治体のホームページや担当窓口で詳細を確認しましょう。
 
納期限を過ぎると減免の申請はできなくなるうえに、延滞税などのペナルティーも発生します。住民税の納付が難しいことが分かったらできるだけ早く、減免や猶予を受けられないかを自治体の担当窓口に相談することが大切です。
 

出典

千代田区 住民税 救済制度
大田区 特別区民税・都民税(住民税)の減額・免除(減免)について
東京都主税局 個人住民税 個人住民税Q&A
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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