更新日: 2022.07.16 その他税金

税金の直接税と間接税の違いとは? それぞれの仕組みと主な分類を解説

税金の直接税と間接税の違いとは? それぞれの仕組みと主な分類を解説
税金には「直接税」と「間接税」という大きなくくりがあることは何となく知っていても、具体的にはどう違うのかまでは説明できない人もいるでしょう。直接税と間接税の違いは銀行口座や財布からお金が出て、国や地方公共団体に納税されるまでのお金の流れにあります。
 
本記事では直接税・間接税をはじめ、税金の分類について分かりやすくまとめました。税金の仕組みについて、改めて確認してみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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直接税とは

直接税とは、税金を納める人(納税者)と負担する人(担税者)が同一の税金です。
納税者から国や地方公共団体に直接税金が支払われるために、直接税とよばれています。
 
累進課税や個々の事情に合わせた控除を適用するなどの仕組みを取り入れやすく、納税者の所得や負担能力に応じた税金の徴収が可能である点が直接税のメリットです。一方で、お金を多く稼ぐほど税額が増える直接税の制度には、勤労意欲を損なうデメリットも考えられます。
 

直接税に分類される主な税金

直接税に分類される主な税金は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

税金の種類 概要
所得税・復興特別所得税 個人の1年間の所得に課せられる税金
法人税 法人(会社、協同組合など)の所得にかかる税金
相続税 亡くなった人から相続した財産に課せられる税金
贈与税 個人からもらった財産に課せられる税金
住民税(都道府県・市区町村) 個人の住所・居所、法人の事務所・事業所などがある地方公共団体に、
所得額などに応じて納める税金
事業税 個人・法人が事業を営んでいる場合に所得に課せられる税金
自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割) 自動車、軽自動車、原動機付自転車などを所有しているときに課せられる税金
不動産取得税 土地や建物を取得したときに課せられる税金
固定資産税 所有する土地・家屋、事業用の機械などに課せられる税金

出典:国税庁 税金の種類と仕組み
 

間接税とは

間接税とは、税金を納める人(納税者)と負担する人(担税者)が異なる税金です。
担税者が企業などの納税者に税金を支払い、税金を預かった納税者から国や地方公共団体に間接的に税金が支払われるために、間接税とよばれています。
 
所得の高低にかかわらず同じ税率を課すことで直接税と比べて不平等感が生じにくい点が、間接税のメリットです。反面、所得が低い層ほど税負担率が高くなる傾向にあるというデメリットもあります。
 

間接税に分類される主な税金

間接税に分類される主な税金は、図表2のとおりです。
 
【図表2】

税金の種類 概要
消費税・地方消費税 商品購入時やサービスの提供を受けたときに課せられる税金
酒税 酒類の製造場出荷時に課せられる税金
揮発油税 ガソリンなどの製造場出荷時に課せられる税金
たばこ税・たばこ特別税 たばこの製造場出荷時に課せられる税金
道府県たばこ税・市町村たばこ税 たばこ製造者などが販売業者にたばこを売り渡したときに、
本数に応じて課せられる税金
関税 輸入品を国内に持ち込むときに課せられる税金
印紙税 経済取引時に作成する文書(契約書、領収書など)
に課せられる税金
ゴルフ場利用税 ゴルフ場利用時に課せられる税金
軽油取引税 元売り業者などからの軽油引き取り容量に応じて
課せられる税金
入湯税 温泉施設での入浴時に課せられる税金

出典:国税庁 税金の種類と仕組み
 

税金の主な分類

税金は、納税されるまでのお金の流れによる「直接税」「間接税」の分類のほか、納税先によって「国税」と「地方税(道府県税・市町村税)」に分けられます。各分類相当の主な税金の種類は、図表3のとおりです。
 
【図表3】

直接税 間接税
国税 ・所得税
・法人税
・相続税
・贈与税
など
・消費税
・酒税
・たばこ税
・関税
など
地方税 道府県税 ・道府県民税
・事業税
・自動車税(種別割)
など
・地方消費税
・道府県たばこ税
・ゴルフ場利用税
など
市町村税 ・市町村民税
・固定資産税
・軽自動車税(種別割)
など
・市町村たばこ税
・入湯税
など

出典:国税庁 税の学習コーナー 税のしくみ 税の種類と分類
 
また、課税の対象による次のような分類もあります。
 

●所得課税:個人や会社の所得に課される税金(所得税、法人税など)
●消費課税:物品購入やサービスの提供に課される税金(消費税、酒税、たばこ税など)
●資産課税等:資産などに課される税金(相続税、固定資産税など)

 

直接税と間接税は納税までのお金の流れが異なる

直接税と間接税の大きな違いは、担税者から納税されるまでのお金の流れです。直接税は担税者が納税先にお金を直接支払うのに対し、間接税は担税者からお金を預かった企業などの納税者から、間接的に納税されます。
 
また税金には「直接税」「間接税」の分類に加えて、納税先による分類や課税対象による分類もあります。税金への理解を深めるためにも、自身が払う税金がどの分類に該当してどのような流れで納税に至るのかを、改めて確認してみましょう。
 

出典

国税庁 税金の種類と仕組み

国税庁 税の学習コーナー 税のしくみ 税の種類と分類

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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