税金は1年間でどれくらい集まる? 税金の3つの役割や納める仕組みを解説

配信日: 2022.07.17

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税金は1年間でどれくらい集まる? 税金の3つの役割や納める仕組みを解説
「給料から引かれる税金が高すぎる!」「消費税がなければもっと買い物しやすいのに」、といったような不満を抱いたことがある人も多いでしょう。しかし、税金には日本人の暮らしを支える大切な役割があるため、一概に安ければよいものではありません。
 
本記事では、1年間の日本の税収や国家予算に占める割合、税金が果たす3つの役割など、税収の実態や税金の大切さを知るのに役立つ情報を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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日本の1年間の税収と内訳

財務省が公開している「税収に関する費用」によると、令和4年度の租税および印紙収入予算は約65兆2000億円です。令和4年度の国家予算案における歳入額は約107兆6000億円となっており、およそ6割を税収が占める計算です。
 
令和元年度~令和3年度までの税収と主な内訳の推移は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

令和元年 令和2年 令和3年
税収合計 58兆4000億円 60兆8000億円 63兆9000億円
所得税 19兆2000億円 19兆2000億円 20兆円
法人税 10兆8000億円 11兆2000億円 12兆9000億円
消費税 18兆4000億円 21兆円 21兆1000億円

出典:財務省 税収に関する資料
 
このように、過去3年間だけを見ると税収は増加傾向にあり、所得税、法人税、消費税のいずれを取っても右肩上がりです。
 

税金の3つの役割とは

日本の国家予算のなかでも主要な割合を占める税金には、「財源調達機能」「所得再分配機能」「経済安定化機能」という、3つの大きな役割があります。
 

■財源調達機能

年金や医療などの社会保障・福祉、道路や水道などのインフラ整備・教育・警察・消防・防衛など、暮らしを支える公的サービスを維持する、財源調達の基本手段としての役割です。
 

■所得再分配機能

所得税や相続税の累進課税など、所得が大きいところの負担が大きくなる仕組みを通じて徴収した税金を社会保障や行政サービスの原資とすることで、所得を再分配する役割です。
 

■経済安定化機能

好況期には税収増によって総需要を抑制し、不況期には税収減によって総需要を刺激する作用により、景気の変動を自動的に抑え経済を安定化する役割です。
 
そのなかでも財源調達機能は、税制の最も重要な役割と位置付けられています。
 

日本の納税の仕組み

日本の税金は、納税先や納税時のお金の流れ、課税の対象によって分類されるのが一般的です。
 
納税先による分類は、国に納める「国税」と地方公共団体に納める「地方税」に大別されます。地方税はさらに「道府県税」と「市町村税」に分かれており、各自治体の財源となります。
 
納税時のお金の流れによる分類は「直接税」と「間接税」の2つです。直接税は税を負担する人が直接納税先に税金を支払うものをいいます。対する間接税は、税を負担する人と納税者が異なる税金を指します。
 
例えば、相続税は負担者が直接国に納めるため直接税、消費税は負担者が支払った税金を事業者が預かったうえで納税するため間接税です。
 
納税先と納税時のお金の流れごとに主な税金を分類すると、図表2のようになります。
 
【図表2】

直接税 間接税
国税 ・所得税
・法人税
・相続税
・贈与税 など
・消費税
・酒税、たばこ税
・関税 など
地方税 道府県税 ・道府県民税
・事業税
・自動車税(種別割) など
・地方消費税
・道府県たばこ税
・ゴルフ場利用税 など
市町村税 ・市町村民税
・固定資産税
・軽自動車税(種別割) など
・市町村たばこ税
・入湯税 など

出典:国税庁 税の学習コーナー 税のしくみ 税の種類と分類

課税の対象による分類は、次の3つです。

●所得課税:個人や法人の所得にかかる税金(所得税、法人税など)
●消費課税:物品やサービスにかかる税金(消費税、酒税など)
●資産課税等:資産などにかかる税金(相続税、固定資産税など)

 

税金は国や地方自治体を支える重要な収入源

日本の税収は1年間で60兆円以上にのぼり、日本の国家予算における歳入の半分以上を占めています。税金には社会保障やインフラ整備など生活を支えるため、さまざまな行政サービスの財源として重要な役割があり、私たちの生活は税金に支えられているといっても過言ではありません。
 
消費税などの間接税も含めると、日本で暮らしているかぎり、誰しもが何かしらの形で納税することになります。税金がどのような流れでどこに納税され、何に使われているのかを知ることで、税金の重要性を再確認することも大切なことではないでしょうか。
 

出典

財務省 税収に関する資料
財務省 令和4年度予算政府案 令和4年度予算フレーム

財務省 もっと知りたい税のこと 平成30年6月 1 「税」の意義と役割を知ろう

国税庁 税の学習コーナー 税のしくみ 税の種類と分類

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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