住宅を親子共有名義で購入すると税金はどうなるの? メリット・デメリットは?

配信日: 2022.08.04

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住宅を親子共有名義で購入すると税金はどうなるの? メリット・デメリットは?
親子共有名義で住宅を購入すると、単独名義の場合と何が違うのだろうと疑問に思っている人もいるでしょう。親子共有名義で住宅を購入した場合、固定資産税の納税義務者や売却時の取り扱いなど、単独名義の住宅とは異なる点がいくつか生じます。
 
本記事では、親子共有名義で住宅を購入した際に税金はどうなるのか、親子共有名義で住宅を購入するメリット・デメリットをまとめました。住宅を親子共有名義にするかどうか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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親子共有名義の住宅の固定資産税

 
土地や住宅の所有者には、物件の評価額などに応じた固定資産税が課されます。住宅を親子共有名義で所有している場合、固定資産税は名義者である親と子の「連帯納税義務」となります。
 
連帯納税義務とは、課税対象物件(ここでは住宅)の共有者全員が固定資産税の納税義務者となり、連帯して税金を負担することです。
 
例えば、親と子の住宅の持分割合が3:7であるとしましょう。この住宅の固定資産税が10万円であった場合、持分割合にかかわらず親と子それぞれに10万円の納税義務が生じます。しかし、親と子が別個で10万円ずつ納税するのではなく、親と子のいずれかが10万円を納税すると、もう片方の納税義務が消滅するルールです。
 
納税通知書は代表者宛てで共有名義の住宅1軒につき1通のみが発送されますが、通知書を受け取った方だけに納税義務があるのではないため注意しましょう。
 

親子共有名義の住宅の住宅ローン控除

 
親子共有名義で住宅ローンを組んで購入した場合、住宅ローンは連帯債務であることが多いでしょう。連帯債務の場合はそれぞれが住宅ローンの名義人となるため、負担額に応じて親と子の両方が住宅ローン控除を受けられます。
 
例えば、3000万円の住宅ローンを親1000万円、子2000万円の割合で負担して新築住宅を購入したとしましょう。この場合はそれぞれが毎年、住宅ローンの年末残高の0.7%にあたる金額を最大13年間、所得税から控除できます。
 
ただし、住宅の持分割合と住宅ローンの負担割合が異なる場合は注意が必要です。なぜなら、住宅ローンを負担すべき割合は住宅の持分割合と等しいという考え方があるためです。
 
例えば、上記のケースで住宅の持分割合が1:1である場合、本来負担するべき住宅ローンの金額は、親1500万円、子1500万円です。そのため、子が受けられる住宅ローン控除は、実際に負担した2000万円のうち本来負担するべき1500万円の部分に関してのみとなります。
 
また、この場合も親が住宅ローン控除を受けられるのは、本来負担するべき1500万円に対して実際に負担する1000万円の部分のみです。
 

住宅を親子共有名義で購入するメリット・デメリット

 
住宅を親子共有名義で購入する主なメリット・デメリットには次のようなものがあります。
 

<メリット>

●単独で購入するより多くの資金が出せる
●親が単独で組む場合よりも住宅ローンの期間が延びる
●住宅ローン控除を名義者がそれぞれ受けられる

<デメリット>

●両者の同意がないと売却できない
●共有名義者が亡くなると相続によって共有者が増えたり変わったりする可能性がある

 

メリット

 
親子共有名義で住宅を購入する場合、資力が2人分になるため、単独で購入するよりも多くの費用を掛けられます。住宅ローンを組む場合も2人分の収入で審査を受けられるので、より大きな金額を借りやすくなるでしょう。
 
また、住宅ローンでは返済の上限年齢が定められているのが一般的です。リレー返済などの方法で住宅ローンを組むと、子の年齢を基準として返済期間を決められるため、親が住宅ローンを組む場合と比べて返済期間を長く設定できます。
 
さらに、親子それぞれが持分に応じて住宅ローン控除を案分して受けられるため、借入金額が住宅ローン控除の対象上限額を超える場合は、控除枠を有効に利用できるメリットもあります。
 

デメリット

 
共有名義の住宅の売却には、名義者双方の同意が必要です。売却に関して親子の意見が食い違うと、トラブルになり、スムーズに売却できない可能性があるでしょう。
 
また、共有名義の住宅の持分は、名義者が亡くなった場合相続の対象になります。親子共有名義の住宅を購入したのちにどちらかが亡くなると、相続によって共有者が変わったり増えたりする可能性があることに注意が必要です。
 

親子共有名義で購入する前にメリット・デメリットをよく検討しよう

 
親子共有名義で住宅を購入すると、固定資産税は連帯納税義務となります。また、住宅ローン控除は名義者それぞれが持分割合に応じて控除を受けられます。
 
親子共有名義で住宅を購入する大きなメリットは、資力が2人分になり多くの費用を掛けやすくなることです。また、親単独の場合よりも、返済期間を設定できるメリットもあります。
 
しかし一方で、個人の意思だけでは売却ができなくなること、相続によって権利関係が複雑になる可能性があることには注意が必要です。親子共有名義での住宅購入は、メリットとデメリットの両方を理解して、事前にしっかり検討しましょう。
 

出典

国税庁 共有の家屋を連帯債務により取得した場合の借入金の額の計算

国土交通省 住宅 住宅ローン減税

住宅金融支援機構 ずっと固定金利の安心【フラット35】 親子リレー返済

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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