更新日: 2022.08.06 その他税金

さら地の放置は税金で損をする!?土地活用を検討すべき理由とは?

さら地の放置は税金で損をする!?土地活用を検討すべき理由とは?
さら地や空き家といった不動産を相続などで取得するケースはよくあります。しかし、使わないからといって放置すると、知らず知らずのうちに税金で損することがあるのをご存じでしょうか?
 
税金で損をしないためには、土地を有効活用すること回避できることもあります。
 
そこでこの記事では、不動産の所有者が知っておくべき「固定資産税」の注意点と、節税に効果的な活用法を解説していきます。

FINANCIAL FIELD編集部

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知っておきたい固定資産税の基礎知識

固定資産税とは

固定資産税は土地や建物などの所有者が毎年必ず市町村に納めなければならない税金です。毎年1月1日時点で所有者に納税義務が発生します。また、東京23区や大阪市、福岡市などの市街化区域内では、固定資産税のほかに都市計画税もかかります。
 
土地の計算方法はそれぞれ以下の通りです。
 

固定資産税==課税標準額×標準税率1.4%
都市計画税==課税標準額×標準税率0.3%

 
標準税率は固定資産税1.4%、都市計画税0.3%が基本となりますが、市町村によって異なる場合もあります。
 
また、課税標準額は固定資産課税台帳に登録された「固定資産税評価額(以下、評価額)」をベースに、地価変動が原因の急激な税額の上昇を防ぐ「負担調整措置」などを適用して算出します。
 
詳しくは複雑になるので割愛しますが、さら地であれば評価額の70%が上限となります。ちなみに建物の場合は、評価額がそのまま課税標準額となります。
 

さら地の固定資産税はどれくらい?

さら地の固定資産税・都市計画税がどれくらいになるか、モデルケースを使って説明します。
 
東京23区で評価額3000万円のさら地を所有している場合で、課税標準額の計算には上限の70%を用います。
 

課税標準額=3000万円×70%=2100万円
固定資産税(2100万円×1.4%)+都市計画税(2100万円×0.3%)=35万7000円

 
評価額が一定と仮定した場合、さら地のまま放置すれば毎年約35万円かかることになります。
 

住宅が建っていれば、固定資産税が軽減される!

住宅用地の特例

土地に住宅が建っている場合、「住宅用地の特例」によって固定資産税・都市計画税が軽減されます。
 
具体的には、課税標準額の算出において、評価額の「6分の1」や「3分の1」に大きく割り引くことができます。軽減割合は以下の通りです。
 
図表1

    

    

面積区分 固定資産税 都市計画税
税率 1.4% 0.3%
住宅用地 小規模住宅用地 1戸当たり
200平方メートルまでの部分
課税標準額=
評価額×1/6

課税標準額=
評価額×1/3
一般住宅用地 1戸当たり
200平方メートルを超える部分
課税標準額=
評価額×1/3
課税標準額=
評価額×2/3

出典:東京都主税局 固定資産税・都市計画税(土地・家屋)より筆者作成
 
先ほどの3000万円の土地が200平方メートル以下と仮定して、評価額1,000万円の住宅を建てた場合でシミュレーションしてみます。
 

土地:固定資産税(3,000万円×1/6×1.4%)+都市計画税(3,000万円×1/3×0.3%)=10万円
建物:固定資産税(1000万円×1.4%)+都市計画税(1,000万円×0.3%)=17万円
合計27万円

 
さら地の場合は約35万円でしたので、建物を含めても約8万円も安くなります。土地だけでいえば、3分の1以下に大きく下がりました。特例の対象は戸建てだけでなく、賃貸用のアパートやマンションなども含まれます。同じ土地に複数の住居があれば、「200平方メートル×戸数」の広さまで小規模住宅用地となります。
 
課税標準額を最小の「6分の1」で計算できる部分が増えるので、特に広い土地の場合は戸建てよりもアパートなどのほうが節税に有利な場合があります。
 
さら地のまま放置していれば、割高な税金を払い続けなければなりません。アパートなどの運用にはもちろん空室や施設の老朽化など別次元のリスクも伴いますが、土地活用の選択肢として検討する価値があるでしょう。
 

空き家を取り壊すなら、タイミングに注意!

固定資産税で損しがちなポイントとしてもう一つ注意したいのが、空き家などの住宅を取り壊すタイミングです。
 
特例の対象となるかは、1月1日時点で住宅が建っているかどうかで判断されます。年末に取り壊してしまえば、次の年は特例の措置を受けられません。期日をずらすことができるようなら、年明けに取り壊したほうが税負担は少なくて済みます。
 

空き家の放置もご法度!

建物を取り壊すと住宅用地から外れて税負担が増えてしまうことから、空き家をそのまま放置しているケースもあります。
 
空き家の放置が社会問題となり、2015年度以降、適正な管理を怠って「特定空き家」に指定された場合は、住宅用地の特例が適用されなくなりました。実家が空き家であるなど問題がある方は、なるべく早期に売却や建て替えなどを検討したほうがよいでしょう。
 

出典

総務省 地方税制度 固定資産税

総務省 地方税制度 都市計画税

東京都主税局 固定資産税・都市計画税(土地・家屋)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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