更新日: 2022.08.05 その他税金
教育資金や住宅資金の贈与は「非課税制度」を活用すれば税金がかからない!? 条件を確認してみよう!
本記事では、教育資金や住宅資金の贈与の非課税制度について、分かりやすく解説しています。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
教育資金が目的の贈与は一定額まで非課税になる
孫や子の教育資金を目的とした贈与は、一定額まで非課税になります。具体的には、1人当たり(対象者:30歳未満の孫や子)1,500万円まで非課税で贈与できます。
ただし、贈与を受ける人は「前年所得が1,000万円以下」の条件を満たしていなければなりません。また、予備校や塾など学校等以外の資金は500万円までが非課税の上限額です。
教育資金一括贈与(非課税制度)の利用方法
教育資金一括贈与(非課税制度)を利用するには、金融機関に専用口座を開設し、かつ金融機関を通して「教育資金非課税申告書」を税務署に提出しなければなりません。
あとは、贈与者が専用の口座にお金を預け入れ、受贈者(贈与を受けた側)は学費を支払った際に領収書をもらい、領収書・払い出しの請求書を金融機関に提出します。
その後、金融機関の専用口座からお金を引き出す仕組みとなっています。
教育資金一括贈与(非課税制度)の注意点3つ
教育資金一括贈与(非課税制度)の注意点は下記の3つです。
1.贈与期限は2023年3月末まで
2.受贈者が30歳になると残高に贈与税が発生する
3.贈与者が死亡した際の使い残し分は相続財産に加算される
1つずつ見ていきましょう。
1.贈与期限は2023年3月末まで
教育資金一括贈与(非課税制度)の贈与期限は2023年の3月末までとなっています。教育資金贈与を検討している方は、非課税制度が適用されるうちに贈与しておくと得です。
2.受贈者が30歳になると残高に贈与税が発生する
受贈者が30歳になりますと、教育資金の残高に応じて贈与税が発生します。30歳以降は非課税になりませんので留意しておきましょう。
3.贈与者が死亡した際の使い残し分は相続財産に加算される
贈与者が死亡した際の贈与使い残し分は、相続財産に加算されます。また、贈与者死亡時の孫の使い残しは相続税が2割加算されます。ただし、孫が23歳未満だったり、在学していたりする場合は対象外です。
必要な教育資金をその都度援助してもらっても非課税扱いになる
教育資金一括贈与(非課税制度)に限らず、必要な資金をその都度援助した場合でも非課税扱いとなります。子や孫への教育費や生活費は、もともと贈与税がかからない仕組みだからです。
お金がかかるタイミングだけで援助を受けるのも、選択肢の1つでしょう。
住宅資金の贈与も一定額まで非課税になる
子や孫が住宅を取得する際、一定額の資金援助までは贈与税がかかりません。住宅資金にも「住宅取得費等資金贈与の非課税制度」というものがあります。
税金を気にせず、まとまった資金を贈与できますので、子や孫の家計支援につながります。なお、制度が利用できるのは2023年12月31日までですので留意しておきましょう。
図表 住宅取得費等資金贈与の非課税制度の内容
住宅性能 | 非課税上限額 | |
---|---|---|
非課税枠 | 耐震・省エネ、またはバリアフリー住宅 | 1,000万円まで |
一般住宅 | 500万円まで |
床面積 | 所得の条件 |
---|---|
50~240平方メートル以下 | 所得2,000万円以下 |
40~50平方メートル未満 | 所得1,000万円以下 |
受贈者の年齢 | 18歳以上の子または孫 |
出典:国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」を基に筆者が作成
住宅取得費等資金贈与を利用する場合は住宅の取得・入居に期限がある
住宅取得費等資金贈与を活用する場合、住宅の取得・入居に期限があることも覚えておきましょう。
贈与を受けた翌年の3月15日までに、贈与資金「全額」を使って住宅代金(頭金や残金など)を支払う必要があります。また、入居期限は贈与を受けた翌年の3月15日か、遅くとも12月31日までが期限です。
贈与された翌年に贈与税の申告もしなければならない
贈与の非課税の適用を受けるには、贈与された翌年の2月1日〜3月15日までに贈与税の申告が必要です。期限を過ぎてしまうと制度が適用されなくなりますので、注意しておきましょう。
子や孫への教育資金や住宅資金の贈与は非課税制度を活用しよう!
本記事では、教育資金や住宅資金の贈与の非課税制度について、分かりやすく解説しました。子や孫への教育資金や住宅資金を援助したいと考えている場合、非課税制度を活用するのがお得です。
なお、教育資金の贈与期限は2023年の3月末まで、住宅資金の贈与期限は2023年の12月31日までとなっています(2022/6/30現在)。
非課税制度を使った贈与を検討している場合、早めに着手するのが望ましいでしょう。
出典
文部科学省 教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置 Q&A(「教育資金」及び「学校等の範囲等」)
国税庁 No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
国税庁 No.4512 直系尊属から教育資金及び結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度の主な相違点
国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
国土交通省 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部