更新日: 2022.08.05 確定申告

実は損してるかも!? 会社員でも確定申告した方がいい人とは?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

実は損してるかも!? 会社員でも確定申告した方がいい人とは?
会社員は、年末に会社が年末調整をしてくれるため、自分で確定申告をする必要がないケースがほとんどです。しかし、会社員でも確定申告をすれば、所得控除や税額控除が受けられる場合があります。
 
この記事では、会社員でも確定申告をすればお得な人はどのような人かについて、解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年間の医療費が10万円を超える人

年間の医療費が10万円を超える人は、確定申告をした方がいいです。
 
医療費控除とは、納税者本人やその配偶者、その他親族の医療費を支払った際に適用される控除のことです。下記の計算式で計算した金額を、総所得金額から差し引けます。
 
控除額=支払った医療費の合計額-保険金で補てんされる金額-10万円
 
控除額の上限は200万円です。また、その年の総所得金額が200万円未満の場合、控除額の上限は総所得金額の5%の金額です。
 
給与所得が400万円の会社員の例をみてみましょう。年間の医療費が15万円で、医療費を保険金で補てんしていない場合、15万円から10万円を差し引いた5万円が控除されます。
 
確定申告をする際は、医療費の明細書を作成し、確定申告書に添付しなければいけません。なお、医療保険者が発行した医療費通知を添付する場合は、医療費の明細書の記載を省略できます。
 
また、下記の費用は、医療費控除の対象とならない点には注意が必要です。

●美容整形の費用
●自家用車で通院する際のガソリン代や駐車場代
●近視や乱視のための眼鏡代やコンタクト代
●疲れを癒やすマッサージ代

医療費控除の適用になるか判断に迷う場合は、国税庁のホームページを確認してみましょう。
 

災害や盗難などで損害が生じた人

納税者本人や生計を一にする配偶者・家族が、災害や盗難、横領によって損害が生じた場合、雑損控除が適用になります。
 
確定申告をすれば、次の計算式で計算した金額のうち、多い方が控除されます。

●控除額=損失金額-課税所得の合計額×10%
●控除額=災害関連支出金額(災害による住宅や家財の修繕費など)-5万円

ただし、通常の生活に必要ではない資産に損害が生じた場合、雑損控除の適用にならない点には注意が必要です。別荘や娯楽を目的とする不動産、貴金属、書画などの動産の損害は、適用外となります。
 
なお、損失額をその年の所得金額から控除しきれない場合は、翌年以降3年間にわたり繰り越せます。繰り越す場合は、年度ごとに確定申告が必要なので、忘れずに行いましょう。
 

住宅ローンを利用する人

住宅ローンを利用する場合は、住宅ローン控除が適用されます。
 
住宅ローン控除とは、住宅ローンを使ってマイホームの取得や増改築をした場合に、一定の要件を満たしたときに適用される税額控除のことです。所得税額から控除額を差し引けるので、大きな節税になります。
 
令和4年以降に入居する場合、控除が13年間適用になります。控除額は下記の計算式のとおりです。
 
控除額=年末の住宅ローン残高×0.7%
 
住宅ローン控除の適用を受けるには、下記の条件を満たす必要があります。

●住宅の取得または増改築の終了日から6ヶ月以内に居住し、適用を受ける年の12月31日まで居住していること
●控除を受ける年の合計所得金額が2000万円以下であること
●返済期間が10年以上のローンであること
●取得した住宅または増改築した後の住宅の床面積が40平方メートル以上であり、床面積の半分以上は自身が居住するためのものであること(床面積が40~50平方メートルの場合は、合計所得金額が1000万円以下であること)

繰り上げ返済をして住宅ローンの返済期間が10年未満になる場合は、住宅ローン控除の適用を受けられない点には注意が必要です。繰り上げ返済をする際は、慎重に行いましょう。
 
なお、所得税から控除し切れない場合は、翌年度の住民税から一定額が控除されます。
 
会社員の場合、住宅ローン控除が適用になる初年度のみ確定申告をすれば、2年目以降は源泉徴収で控除が適用となります。住宅ローン控除を利用した初年度は、忘れずに確定申告を行いましょう。
 

知らないと損! 条件に当てはまる人は、忘れずに確定申告を

会社員でも、確定申告をすれば所得税の負担が軽減される場合があります。
 
確定申告は、翌年の2月16日~3月15日までです。もしも期限に間に合わなかったり、過去の申告が漏れていたりしたとしても、5年以内であれば還付申告をすれば、払いすぎた税金が戻ってきます。
 
還付申告は確定申告の時期に関係なく申告できるので、気づいたタイミングで申告しましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1122 医療費控除の対象となる医療費
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
国土交通省 住宅ローン減税
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2030 還付申告
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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