更新日: 2022.08.13 確定申告
個人の副業にかかる税金ってどれだけあるの? 確定申告が必要な条件は?
以前はメディアで頻繁に目にした「会社にバレずに副業する方法」という内容の記事はすっかり減りました。その一方で、副業を始めた会社員の多くが税金に不安を感じているのが最近の事情です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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副業を始めると必要になる確定申告
会社員であれば、年末調整があります。年末調整は会社が従業員に支払った給与を基に、年末調整資料を使い所得税を計算します。この金額と、給与から天引きしてきた源泉所得税額を差し引きし、所得税を還付または徴収します。年末調整ができるのは、本業の主たる給与を受け取っている1ヶ所のみです。副業については、年末調整ができないため確定申告が必要となります。
ただし以下の場合は原則、確定申告は不要です。
●給与を1ヶ所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える場合
●給与を2ヶ所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える場合
※国税庁 確定申告が必要な方
副業といっても小遣い稼ぎ程度のものであれば確定申告はしなくてよいことになっています。ただし、所得税の確定申告は不要でも、市区町村へ住民税の申告が必要なので注意が必要です。
確定申告で税金が戻ってくる場合もある
ここまで読んで、文章に違和感を抱かれた人もおられるのではないでしょうか。少額の副業なら確定申告は不要ですが、以下のケースなどは、確定申告が不要でも申告することで税金の還付を受けられる場合があります。
●給与や報酬など源泉徴収の対象となる種類の収入がある場合で、必要経費や各種所得控除によって所得税の税額が源泉徴収された税額よりも少なくなるとき
●確定申告しないと受けられない控除(医療費控除、寄附金控除、雑損控除など)がある場合
●事業所得や不動産所得などが赤字で他の所得と相殺できる場合
会社員の場合、勤務先の源泉徴収には副業は反映されていません。そこで確定申告により、すべてを合算した所得による税額を計算し直します。副業でさまざまな経費がかさみ、赤字であれば源泉徴収された所得税が返ってくることもあります。少額の副業であってもあえて確定申告を行うのはこのためです。
結局副業にかかる税金は2種類だけ
難しそうに思える副業の税金ですが、課税される税金は所得税・復興所得税と住民税の2種類だけです。ただし、その計算にあたり、収入がどんな所得に該当するのかを分類する必要があります。日本の税制では収入の性質に応じ、事業所得・不動産所得・利子所得・配当所得・給与所得・雑所得・譲渡所得・一時所得・山林所得・退職所得という10種類の所得に分類が行われています。これを間違えると、最終的な税額が異なってしまいます。
副業の収入はおおむね次のような所得に分類されます。
●アルバイト……給与所得
●アフィリエイト、YouTuber、クラウドソーシング……事業所得・雑所得
●FX取引、仮想通貨の取引など……雑所得
●家賃収入……不動産所得
●株式投資など……譲渡所得・配当所得
正しく申告することが何より大切
確定申告が必要なのに申告しなかった場合にはペナルティーがあります。無申告加算税、重加算税、延滞税と非常に重いペナルティーが課されるので注意が必要です。
副業によるメリットは単に収入が増えるだけではありません。会社員にはない経費という考え方が加わることで、結果として節税につながることがあります。そのためにも、正しい税金の知識を身につけておくことが大切です。
出典
税務大学校 個人の副業等に係る税金について
国税庁 確定申告が必要な方
国税庁 所得税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部