更新日: 2022.08.28 控除
最大の配偶者控除を受けたい! 配偶者の年収はいくらまでなら大丈夫?
とはいっても、配偶者控除は誰でも受けられるというわけではありません。配偶者控除を受けるためには、いくつかの要件があるからです。
そこで今回は、配偶者控除の要件はどのようなものか、配偶者控除と配偶者や納税者の年収の関係について詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
配偶者控除とは
配偶者控除とは、同一世帯の夫婦において配偶者の所得を一定額控除するという制度です。
この制度の目的は配偶者のいる納税者の負担を減らすことにあります。そのため、もともとこの制度の適用を受けるための要件は、配偶者の所得が基準よりも下回っているかどうかということだけでした。
しかし、平成30年の税制度改正によって配偶者控除の要件の見直しが行われ、同時に納税者の所得制限も追加されました。
配偶者控除の金額は納税者の所得で決まる
配偶者が控除対象配偶者となるには以下の4つの要件を満たしている必要があります。
1.配偶者が民法の規定による配偶者であること
内縁関係の場合、控除対象配偶者とはなりません。
2.納税者と生計を一にしていること
生計を一にしている状態は、必ずしも同居している場合に限られません。そうでない場合でも、余暇の日にはともに過ごしていたり、親族間で常に生活費や学費、療養費等の送金があったりすれば、生計を一にしていると認められます。
3.控除対象配偶者がその年を通じて、一度も青色申告者や白色申告者の事業専従者ではないこと
青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受ける人、または白色申告者の事業専従者は、配偶者控除を受けられません。
4.控除対象配偶者の合計所得金額が48万円以下であること
もしも控除対象配偶者の所得が給与によるもののみであれば、年収103万円以下でなければなりません。
給与には、その収入金額により給与所得控除があります。収入金額が162万5000円までなら、給与所得控除額は55万円ですが、給与収入から55万円を差し引き、48万円以下となるのは、103万円以下となるからです。
給与以外の所得がある場合でも、合計所得が48万円以下でなければなりません。仮に不動産所得が20万円あったとしたら、83万円が給与所得の上限となります。
配偶者控除の控除額は配偶者の年収額ではなく、納税者の合計所得額によって変わります。配偶者の年収額が少なければ控除額が増える、というわけではありません。
納税者の合計所得額が900万円以下の場合、配偶者控除額は38万円です。900万円超950万円以下の場合は26万円、950万円超1000万円以下の場合は13万円が、控除額となります。
納税者の合計所得が1000万円超になると、配偶者の所得が48万円以下(給与所得で103万円以下)であっても配偶者控除はありません。
年収103万円を超えても配偶者特別控除がある!
配偶者の所得が48万円(給与所得で103万円)を超えてしまっても、配偶者特別控除を受けることができます。
ただし、配偶者控除の場合と同じように、民法の規定による配偶者であること、配偶者と納税者が生計を一にしていること、配偶者が青色申告者や白色申告者の事業専従者ではないことが条件です。
配偶者特別控除は、例えば配偶者の合計所得額が95万円(給与所得による年収だと150万円)以下の場合、納税者の合計所得額が900万円以下であれば、特別控除額は38万円、納税者の合計所得が900万円超950万円以下であれば特別控除額は26万円、納税者の合計所得が950万円超1000万円以下であれば、特別控除額は13万円となります。
配偶者特別控除の控除額は、配偶者の合計所得金額と納税者の合計所得金額によって、細かく設定されています。
なお、配偶者の合計所得金額が133万円超となると、納税者の合計所得金額がいくらであっても、配偶者特別控除は受けられなくなります。
配偶者控除の最大額は38万円!
配偶者控除を受けたいのであれば、配偶者は所得額を48万円(給与による年収であれば103万円)以内に抑えなければなりません。納税者の合計所得額が900万円以内であれば38万円の控除を受けられます。
また、合計所得金額が48万円を超えてしまっても、配偶者特別控除を受けることが可能です。
その場合には配偶者の所得額が95万円(給与による年収であれば150万円)以下で、納税者の合計所得が900万円以下であれば、配偶者控除と同額の38万円の控除を受けられます。
配偶者の年収が103万円を超えてしまっている場合には、申告の際、配偶者控除ではなく配偶者特別控除が適用されます。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1191 配偶者控除
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1190 配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1195 配偶者特別控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
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