更新日: 2022.09.09 その他税金

転職と「住民税」の関係って?「普通徴収」と「特別徴収」でどんな違いがあるの?

転職と「住民税」の関係って?「普通徴収」と「特別徴収」でどんな違いがあるの?
会社に勤めている人は、住民税の支払い方について、あまり意識していないケースも多いでしょう。しかし、転職するつもりなら、そのようなスタンスでいるとトラブルに遭う可能性があります。
 
本記事で転職と住民税の関係を紹介するので、この機会に学習してリスクを減らしましょう。普通徴収と特別徴収による違いなども詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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転職によって住民税は変化するのか?

転職と住民税の関係を理解したいなら、まず住民税の概要を把握することが重要です。これは地方税に該当し、国税である所得税とは納税先が異なります。
 
具体的な納税先は、1月1日の時点で住民登録されている市区町村です。所得割額と均等割額の2種類で構成されており、前者は前年の所得に対して課税され、後者は所得に関係なく均等に課税されます。
 
つまり、本年分として支払う住民税はすでに確定済みで、これから転職をしても現在支払っている税額に影響がありません。一定の要件を満たせば減免の措置を受けられますが、基本的には全額を徴収されることになります。転職先の給料が少なくて収入がダウンしても、住民税がすぐに下がるわけではないので注意しましょう。
 

転職時は普通徴収と特別徴収のどちら?

住民税の納税方法には普通徴収と特別徴収の2種類があります。普通徴収とは、市区町村が発行する納税通知書にもとづいて、自分で住民税を納める方法です。
 
それに対して、特別徴収は自分で収める必要がなく、6月を基点として勤務先で給与から天引きされます。転職活動中の人でも、会社に在籍している間は特別徴収を受けるのが一般的です。
 
そして、退職前に転職先が決定した場合、会社経由で「給与所得者異動届出書」を市区町村に提出するだけで、新しい勤務先に特別徴収を引き継いでもらえます。
 
なお、どちらの方法でも年間に納める金額は変わりませんが、分割の回数や間隔に違いがあります。具体的には、普通徴収は一括のほかに2~4回に分けた納税が可能です。一方、特別徴収は12分割されて1カ月ごとに天引きされる仕組みとなっています。
 

特別徴収から普通徴収に切り替わるケース

前述のように、在職中に転職先が決まって手続きも済ませば、普通徴収が適用されることはありません。一方、退職する時点で転職先が未定の場合、時期によっては以下のように切り替わる可能性があります。
 

・1月1日~5月31日

退職が5月31日以前なら、最終月の給与から住民税は一括で天引きされます。そのため、本年分に関して普通徴収の必要がなく、すみやかに転職が完了すれば、翌年分から引き続き特別徴収を受けられます。
 
ただし、5月31日以前に退職しても、天引きできないほど最終月の給料が少ない場合、足りない分を普通徴収で納めなければなりません。
 

・6月1日~12月31日

退職が6月1日以降の場合、最終月の住民税は給与から天引きされますが、本年分の残りは自分で納税が必要です。普通徴収に切り替わるため、市区町村から届いた納付書を使って期限までに支払いましょう。
 

転職するなら住民税に生じる影響を理解しておこう!

基本的に住民税は会社で天引きされますが、転職する人は自分で納めなければならないケースもあります。前年の収入によって税額が決まる点を踏まえ、普通徴収になっても支払えるだけの金額を確保しておくことが大切です。
 
また、納税が滞ってしまうリスクを避けるには、できるだけ特別徴収で済ませることもポイントになります。そのためにも、転職と住民税の関係を事前に正しく把握しておきましょう。
 

出典

東京都主税局 個人住民税と特別徴収について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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