更新日: 2022.09.29 その他税金
お墓にかかる税金。固定資産税はかからない?
本記事では、お墓にかかる税金について、解説します。また、お墓を建てるために必要な手続きについても解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
執筆者:中村将士(なかむら まさし)
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。
お墓にかかる主な税金
ここでは、お墓にかかる税金を、購入するとき、維持管理するとき、相続するときに分けて整理します。
お墓を購入するとき
お墓を建てるためには、(1)霊園・墓地を選ぶ、(2)墓石を購入する、(3)お墓を建てるといった流れになります。このときに発生する費用は、以下のとおりです。
(1)霊園・墓地を選ぶ:永代使用料
(2)墓石を購入する:墓石購入費用
(3)お墓を建てる:工事費用
ここで発生する税金は、消費税です。具体的には、墓石購入費用と工事費用に消費税が課税されます。永代使用料は非課税です。
お墓を維持管理するとき
お墓を維持管理するためにも、費用が発生します。霊園や墓地に支払う管理料です。原則として、管理料にも消費税が課税されます。固定資産税は課税されません。墓石は、固定資産ではないからです。
地方税法(第341条1号)において、固定資産を「土地、家屋及び償却資産を総称する」と定義しています。墓石はこれらに該当しません。余談ですが、墓地について、同法(第348条2項4号)で「固定資産税を非課税とする」旨が規定されています。
お墓を相続するとき
相続税は課税されません。相続税法では、相続財産の課税対象から除外する非課税財産を規定しています。その中に「墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの(第12条1項2号)」があり、墓石はこれに該当するからです。
お墓を建てるために必要な手続き
お墓を建てる手順は、以下のようになります。
(1)霊園や墓地を選ぶ、
(2)墓石を購入する
(3)お墓を建てる
(4)お墓へ納骨する
このときに必要な書類は、以下のとおりです。
・埋葬許可証
・墓地使用許可証
・工事届
埋葬許可証は、「遺骨を埋葬してもよいですよ」という書類です。この書類がないと、そもそも遺骨を埋葬することはできません。市区町村役場に死亡届を提出した後、発行されます。
墓地使用許可証は、「墓地を使用してもよいですよ」という書類です。法律上、墓地外に遺骨を埋葬することはできません。この書類がないと、やはり遺骨を埋葬することはできません。霊園や墓地と墓地使用契約を締結すると、発行されます。
工事届は、「このようなお墓を建てる工事を行いますよ」という書類です。使用する墓地にどのようなお墓を建てるのかを申請します。石材店などと工事請負契約を締結すると、発行してくれます。
まとめ
お墓にかかる税金を整理すると、消費税だけということが分かります。消費税が課税されるのは、墓石購入費用、お墓の工事費用、霊園・墓地の管理料です。固定資産税、相続税は課税されません。
つまり、誤解を恐れずにいえば、お墓はほとんど課税されません。お墓はその性質上、税金の対象とはなりにくいのです。お墓を建てることを検討している方のために、その手続きについても解説しました。参考にしていただければ幸いです。
出典
国税庁 消費税のしくみ
国税庁 令和4年版宗教法人の税務
総務省 固定資産税
e-Gov法令検索 地方税法
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4155 相続税の税率
e-Gov法令検索 相続税法
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー