更新日: 2022.10.27 その他税金
会社員の約20%が独立を考えている! 独立するならば知っておきたい税金事情とは?
独立すると、会社員のときとは税金の扱い方や手続きが大きく変わるため、戸惑う人が多くいます。
この記事では、独立した後の税金事情について分かりやすくお伝えします。独立をしたいと思ったことがある人は、ぜひチェックしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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独立を考えている会社員の実態
独立を考えている会社員は、一体どれくらいいるのでしょうか?
ベンチャーサポートグループ株式会社が2022年9月に行った調査「コロナ禍での起業・独立」(調査対象:ゼネラルリサーチ社登録モニターの、全国20~50代男女1006人)によると、新型コロナ感染拡大を機に起業や独立をしたいと思ったことがある人は20.6%、つまり約5人に1人いることが明らかになっています。
そのように思った理由として、「現在の働き方に不安を感じたため」と挙げている人が半数以上おり、新型コロナ感染拡大が会社員の働き方そのものに大きく影響していることが分かります。
独立を考えている人の6割は行動を起こしている
同調査によると、起業や独立を考えている人の6割が、すでに行動を起こしていることも明らかになっています。
具体的な行動としては、「副業を始めた(36.0%)」「勉強や人脈形成のためにセミナーや交流会に参加している(34.4%)」「現職の業務を通じてスキルアップをしている(25.6%)」などが上位となっています。
一方、このような行動を起こしている人でも、大きな不安を感じているようです。具体的には、「ビジネス全般に対する将来への不安(48.8%)」「融資(資金調達)の不安(36.0%)」「コロナ禍に関する不安(33.6%)」などが挙げられます。
これらの結果から、「大きな不安を抱えながらも、独立を考えて行動を起こしている会社員は多くいる」ということが分かるでしょう。
独立した後の税金事情
会社員から独立すると個人事業主となりますが、税金事情で最初に知っておきたいのが、所得の違いです。所得とは、収入を得るためにかかった費用を差し引いて計算したもので、得る方法によって10種類に分類されています。
会社員と個人事業主の所得の違い
会社員の所得は「給与所得」です。給与収入から給与所得控除というものが引かれた金額が、給与所得として課税対象となります。会社員の場合は、会社が毎月の給与所得から所得税を源泉徴収し、過不足は年末調整で調整しています。
一方、個人事業主の所得は「事業所得」です。個人事業主の場合は、会社員のように所得税の源泉徴収をしてくれる人はいないので、基本的には自分で支払う必要があります。これが確定申告です。
個人事業主は確定申告が必要
個人事業主は、毎年2月16日~3月15日の間に確定申告をして税金を支払います。期限内で確定申告を行わなかった場合は、罰則が科せられる可能性もあるため注意してください。
確定申告の際は、かかった費用(必要経費)を計算して手続きする必要があります。必要経費は個人事業主が節税するために、とても重要です。
どんな節税方法があるのか
個人事業主の節税方法として、必要経費を見直すことが第一に挙げられます。必要経費を漏れなく申告することで、課税される金額を減らせるからです。必要経費として計上できるものは事前に確認し、日頃から領収書の管理もこまめに行いましょう。
また、必要経費以外にも使える控除がないか、確認してみてください。所得控除であれば、「社会保険料控除」「生命保険料控除」「ひとり親控除」などを含めた15種類の控除があります。
開業手続きをしていれば青色申告も活用しましょう。青色申告を活用することで、「青色申告特別控除」という控除を受けることができます。また、経費と認められる部分が増えるというメリットもあります。
まとめ
今回は、独立を考えて行動を起こしている会社員が多くいるという実態を踏まえて、独立後の税金事情についてお伝えしました。
会社員のときは関わることなかった税金の手続きについて、独立後は戸惑うことも多いかもしれません。所得についてしっかり理解し、漏れのない確定申告が行えるよう準備しておきましょう。
出典
ベンチャーサポートグループ株式会 コロナ禍での起業・独立に関する実態調査 2022年
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部