副業収入が増えたらどうやって節税をする? 節税方法を解説
配信日: 2022.10.30
副業を始めて収入が得られるようになった際に意識するのが税金です。会社員は税金を意識する機会は少ないですが、副業の収入に対する税金は原則自ら申告して納税するため、嫌でも税金を意識することになります。
本記事では、副業収入が増えた際に検討できる節税方法を解説します。所得税の仕組みについても紹介するので、副業を既に始めている方や始めようとしている方はぜひ参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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個人としての副業収入には所得税がかかる
副業を始める際、いきなり会社を立ち上げるのではなく、まずは個人で仕事を受注したり、ブログを始めたりする方が多いと思います。
これらの個人として得た所得は、本業の給与所得と合算して所得税が課されます。所得税は、所得が増えるほど税率が高くなる累進課税制度です。そのため、本業の会社の給与所得が高い場合、副業で得た収入が多額でなくても高い税率を適用します。所得税率は図表1の通りです。
【図表1】
所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1000円~194万9000円 | 5% | 0円 |
195万~329万9000円 | 10% | 9万7500円 |
330万~694万9000円 | 20% | 42万7500円 |
695万~899万9000円 | 23% | 63万6000円 |
900万~1799万9000円 | 33% | 153万6000円 |
1800万~3999万9000円 | 40% | 279万6000円 |
4000万~ | 45% | 479万6000円 |
国税庁「No.2260 所得税の税率」を基に作成
最高税率は45%で、所得が多い方は多額の税金を払う仕組みです。
事業所得で青色申告特別控除を利用して節税
個人で仕事を受注したりブログやアフィリエイトなどで稼いだりする場合、所得は雑所得か事業所得かに分類されます。
事業所得に分類される場合、取引を複式簿記で記帳している・確定申告書の提出をe-taxで行っているなどの要件を満たせば、最大65万円の所得控除が受けられ、所得を減らせます。所得税率20%が適用される方の場合、青色申告特別控除を利用することで、65万円×20%=13万円もの所得税の節税が可能です。
事業所得に分類される大きな要件は、帳簿書類の保存をしているかどうかです。そのため、日々の取引を確実に記録しておき、確定申告の際に事業所得として申告しましょう。
マイクロ法人を設立して節税
さらに副業収入が増えた際の節税方法として、マイクロ法人の設立が考えられます。マイクロ法人とは、社長1人の法人です。法人というと、従業員を多く雇う必要があると考えがちですが、1人でも法人は設立できます。
法人で得た所得には、図表2の通り法人税が課されます。
【図表2】
期末の資本金または出資金 | 所得金額 | 法人税率 |
---|---|---|
1億円以上 | – | 23.20% |
1億円以下(資本金5億円以上大法人の子会社などは除く) | 800万円超 | 23.20% |
800万円以下 | 15% |
国税庁「No.5759 法人税の税率」を基に作成
所得税に比べ、税率が一定となっています。個人としての所得が増え所得税率が高くなる際には、マイクロ法人を設立して副業収入を法人の所得とすることを検討しましょう。
税金の仕組みを知ろう
副業を始めると、今までは意識しなかった税金について考える機会が増えます。税金は、知っているだけで得をする制度がたくさんあります。
まずは、いま本業で支払っている税金を確認してみてください。どのように所得税や住民税が決まっているのかを知るだけでも、税金に対する理解は深まります。
その上で、副業収入にかかる税金において節税の余地がないか検討しましょう。
出典
国税庁-No.2260所得税の税率
国税庁 「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案) (雑所得の例示等)に対する意見公募の結果について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部