水たばこって、たばこ税がかかっているの？

「シーシャ」という異名で知られている水たばこ。たばこのにおいとは無縁の甘い香りを特徴としていますが、たばこであることに変わりありません。
 
そのため、高いことで知られる「たばこ税」は、水たばこにもかかるのでしょうか？ かかるとすれば、1本、2本と数えられない水たばこの税金は、どのように計算されるのでしょうか？
 
この記事では、水たばこの税金について解説します。

「水たばこ」とは

「水たばこ」にかかる税について説明する前に、水たばこについて簡単に説明します。
 
水たばことは「水パイプ」という専用の器具を使って喫煙するタイプのたばこです。シーシャという名称で広く知られていますが、たばこの煙を水で冷やし、ろ過された煙を吸うため、「水たばこ」という名称の由来となりました。
 
普段よくみかける最も一般的なたばこを「紙巻きたばこ」といいますが、水たばこは蜂蜜に漬けてあるため、半ペースト状になっています。また、フルーツ、ハーブ、花などの甘い香りが添加されているのが水たばこの大きな特徴で、それを提供しているラウンジやバーの周辺には、独特の甘い香りが漂っています。
 
水たばこが考案されたのは中近東地方ですが、近年は日本でも、水たばこ（シーシャ）専門店やバーなどで水たばこを楽しめるようになりました。
 

水たばこのたばこ税はどうなってるの？

ところで、税法上、たばこは「紙巻きたばこ」「葉巻たばこ」「パイプたばこ」「刻みたばこ」に分類されていますが、たばこ税の見直しが行われた2018年、「加熱式たばこ」が追加されました。
 
この新しいタイプのたばこは、専用の小さな器具を使ってたばこ葉を加熱しますが、燃やすことはありません。この点で従来のたばこ製品と異なっています。
 
水たばこも近年広まった新しいタイプのたばこですが、加熱するタイプのたばこではありません。混乱を避けるため、国税庁のホームページでは、新たに設けられた「加熱式たばこ」の区分に、水たばこは含まれないことが明記されています。
 
税法上、水たばこは「水パイプ」という専用の器具を使って喫煙するため「パイプたばこ」に分類され、たばこ税の対象になっています。
 
つまり、水たばこは近年、海外から輸入されるようになった新しいタイプのたばこですが、租税制度が整備されていないというわけではありません。
 
たばこ税は「紙巻きたばこ」をベースにしており、2022年10月現在の税率は、1000本あたり6802円です。
 
本数で測れない「パイプたばこ」は、1gを1本として換算しますので、1000gあたり6802円です。したがって水たばこにも1000gあたり6802円のたばこ税がかかります。
 
なお、このたばこ税（国税）のほかに、「たばこ特別税（国税）」「道府県たばこ税」と「市町村たばこ税」がかかるため、1000本あたりの税率は下記のとおりです。
 

たばこ税…6802円
たばこ特別税…820円
道府県たばこ税…1070円
市町村たばこ税…6552円

 
合計すると1000本あたり1万5244円です。前述したように、水たばこは1gを1本に換算しますので、1000gあたり1万5244円のたばこ税がかかります。
 

水たばこには、たばこ税も消費税も、場合によっては関税もかかる

水たばこにもたばこ税がかかりますが、ひと口にたばこ税といっても、4酒類の税金があります。それらを併せると、水たばこ1000gあたりの税金は1万5244円です。
 
また、別途、消費税（10％）がかかるため、たばこは税負担が大きい製品といえるでしょう。海外から輸入される水たばこ（シーシャ）には、さらに関税がかかる場合があるため、水たばこに占める税金の割合の多さが想像できるのではないでしょうか。
 

出典

国税庁 加熱式たばこに係る課税方式の見直しについて

財務省 たばこ税等に関する資料

財務省 たばこにはどれくらいの税金がかかっているのですか？

税関 国際郵便を利用した「たばこ」の個人輸入について

日本たばこ産業株式会社 水たばこ（シーシャ）
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部