更新日: 2022.12.15 控除

オンライン診療の診療費は一般の病院と違う? 医療費控除の対象になる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

オンライン診療の診療費は一般の病院と違う? 医療費控除の対象になる?
新型コロナウイルス感染症の感染拡大などを背景に、オンライン診療に対応する医療機関が多くみられるようになりました。
 
便利に利用できますが、オンライン診療の費用は対面診療よりも高額なのでは? という疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
 
そこで本記事では、オンライン診療と対面診療の違いを比較するとともに、オンライン診療の費用に関する医療費控除の取り扱いについてもまとめました。
 
今後、オンライン診療を利用する際の参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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オンライン診療と一般の病院(対面診療)の診療費の違い

オンライン診療と一般の病院(対面診療)では、診療報酬を計算するための算定点数が異なります。
 
令和4年度に改訂された診療報酬では、オンライン診療の算定点数は、次のように定められています。

・初診料:251点
・再診料:73点
・外来診療料:73点
・ウイルス疾患指導料1:209点
・ウイルス疾患指導料2:287点

算定点数は1点を10円として計算するため、オンライン診療の初診料は2510円、再診料、外来診療料は730円、ウイルス疾患指導料1は2090円、2は2870円です。
 
保険診療の場合は、一般的に3割が自己負担額ですが、オンライン診療では、対面診療であれば保険適用の疾患でも保険が適用されないケースがあるため注意が必要です。
 
対して、対面診療の算定点数は、次のように定められています。

・初診料:288点
・再診料:73点
・外来診療料:74点
・ウイルス疾患指導料1:240点
・ウイルス疾患指導料2:330点

金額に換算すると初診料:2880円、再診料:730円、外来診療料:740円、ウイルス疾患指導料1:2400円、ウイルス疾患指導料2:3300円となります。
 
全体的にオンライン診療よりも高く設定されていますが、保険が適用される範囲が異なるため、自己負担額は対面診療の方が安いことも少なくありません。また、オンライン診療では、病院ごとに料金の異なるシステム利用料や医薬品の配送料などがかかることがあります。
 

オンライン診療では医療費控除の対象になる費用・ならない費用がある

1月1日から12月31日までの1年間に支払った、自身や配偶者、親族などの医療費が一定額を超えると、所得税や住民税の計算時に、医療費の額から計算した対象額を医療費控除として所得から差し引けます。
 
オンライン診療を受けた場合は、かかった費用の中に、医療費控除の対象とならないものが含まれている可能性があるため注意が必要です。
 
オンライン診療の費用のうち、医療費控除の対象となるもの、ならないものは、それぞれ以下のとおりです。
 

医療費控除の対象となる費用

オンライン診療の費用のうち、医療費控除の対象となるのは、主に次の費用です。

・オンライン診療料
・オンラインシステム利用料
・処方された医薬品の購入費

オンライン診療料の中でも、医師などによる診療や治療を受けた場合の費用は、医療費控除の対象です。また、オンラインシステム利用料も、医師などの診療や治療を受けるのに直接必要な費用であるため、医療費控除に算入できます。
 
治療や療養に必要な医薬品を処方されて購入した場合も、費用が医療費控除の対象となります。
 

医療費控除の対象とならない費用

オンライン診療で一般的にかかる費用のうち、処方されて購入した医薬品の配送料は、医療費控除の対象になりません。配送料は、診療や治療を受けたり、療養に必要な医薬品を購入したりする費用ではないためです。
 
医療費控除に算入できる費用かどうかは、基本的に、医師や歯科医師による診療や治療、または治療や療養に必要な医薬品購入の直接的な対価かどうかで判断するとよいでしょう。
 

オンライン診療は一般の病院とかかる費用が異なる

オンライン診療の診療報酬は、一般的な対面診療とは異なる算定点数が設定されています。また、オンライン診療では、システム利用料や医薬品の配送料などの費用が別にかかることがあるほか、保険適用の範囲も対面診療より狭い場合があります。
 
そのため、場合によってはオンライン診療の方が対面診療よりも割高になる可能性があるでしょう。
 
また、オンライン診療で支払った費用の中には、医薬品の配送料のように医療費控除の対象にならないものが含まれているケースがあることにも、注意が必要です。
 

出典

厚生労働省 令和4年度診療報酬改定について
厚生労働省 令和4年度診療報酬改定の概要 個別改定事項II(情報通信機器を用いた診療)
日本医師会 なるほど診療報酬!
国税庁 4 新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1122 医療費控除の対象となる医療費
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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