更新日: 2022.12.29 年末調整

年収と年末調整ってどんな関係? 年末には税金について考えてみよう

年収と年末調整ってどんな関係? 年末には税金について考えてみよう
会社員は勤務先で年末調整を行ってもらいますから、原則として個人で確定申告を行う必要はありません。
 
そもそも年末調整とは、どのようなことが行われているのでしょうか。年収との関係性は?
 
自分の給料が所得税を計算する際にどのように扱われ、年末調整と確定申告をすることで何が違うのか知っておきましょう。
當舎緑

執筆者:當舎緑(とうしゃ みどり)

社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

阪神淡路大震災の経験から、法律やお金の大切さを実感し、開業後は、顧問先の会社の労働保険関係や社会保険関係の手続き、相談にのる傍ら、一般消費者向けのセミナーや執筆活動も精力的に行っている。著書は、「3級FP過去問題集」(金融ブックス)。「子どもにかけるお金の本」(主婦の友社)「もらい忘れ年金の受け取り方」(近代セールス社)など。女2人男1人の3児の母でもある。
 

給与から毎月控除されている税金は確定ではない?

勤務先から給与が支給されるときには、所得税が天引きされています。では、天引きがされていれば、途中で退職したり、産前産後休業や育児休業を取得したりなど、働き方に変化があってもそのままでよいのでしょうか。
 
実は、この「毎月」天引きされている金額は、あくまでも「仮に」引かれているだけです。原則として毎月控除されている所得税は、給与総額(通勤手当を除く)から社会保険料を引いた後の所得税額表(※)に当てはめて計算されたものです。
 
この時点では「所得税は仮のまま引かれている」となりますので、もし途中退職したりして、その後清算がされなければ、1年間で支払うべき所得税の正しい金額よりも、すでに天引きされている所得税のほうが多いままになっているということが起こりえます。
 

年末調整でできること・できないこと

生命保険料控除や地震保険料など、住宅購入後の翌年以降の住宅ローン控除など、勤務先に書類を提出して、自動的に行ってくれる年末調整は、所得税を正しく計算し直してくれる仕組みといえます。
 
控除には、その他にも「扶養控除」や「配偶者控除」「配偶者特別控除」、そして「小規模企業共済等掛金控除」などさまざまな控除があります。個人の税金は1月から12月までを計算されますので、途中で何らかの控除が変わる変化もあるかもしれません。
 
例えば、「妻は専業主婦だったけれど、年度途中でパートを始めて収入を得られるようになった」や、「大学生の子どもが大学を卒業して働き始めた」などの家族の変化、年度途中で、個人型確定拠出年金(イデコ)に加入したりなど、支払に変化があった場合です。こんな変化であれば、勤務先に申告すれば、年末調整をすること=税金が正しく計算されます。
 
一方、ふるさと納税などの寄付金をした、もしくは医療費が多くかかったなどの、寄付金控除や医療費控除などは、支払があったものの、勤務先で行う年末調整では所得税の清算はしてもらえません。
 
ただ、年末調整の時に提出した妻の所得が間違っていた、もしくは、子どもの国民年金保険料などを「学生納付特例」を使わず、ちゃんと払っていたのに控除証明を提出するのを忘れていたなど、本来、年末調整できたのに、していないときはどうなるのでしょうか。
 
「間に合わなかった」などの理由の場合には、確定申告によって所得税の申告をするのは構いません。本来は年末調整できるのに、確定申告を行うということでも問題ありません。
 

確定申告をしたほうがよい人・しなくてもよい人。自分はどっち?

確定申告の時期は、例年2月16日から3月15日までの間に行うと思っていらっしゃる方がいますが、所得税が還付される「還付申告」であれば、1月から申請可能です。
 
2022年は、コロナ禍や物価の高騰など、さまざまな事情で家計の負担が増すことが多かったでしょう。「少しでも税金を返してもらう」と、方法を模索したいと思っていらっしゃる方もいるでしょう。正しい知識を持って、自分で損得を判断できるように、例えば、ふるさと納税も「やろうとは思っているけれど」「何が得なのかわからない」などといわず、まずは「やってみよう」と挑戦してみてください。
 
ふるさと納税であれば、「所得税」だけのお得か「所得税と住民税」のお得か、“お得”を自分で選べます。医療費控除も、医療費が10万円(もしくは総所得の5%)を超えた場合、もしくは特定の医薬品の購入金額が1万2000円を超えた場合のセルフメデティーション税制と、2つの方法があります。
 
生命保険料控除や医療費控除などのように、「生計維持者」でなく「生計を同一にしている者」など、家族の中に収入を得ているものが複数人いる場合には、だれにどの控除を入れて申告すればよいのか、工夫して確定申告をすることで税金を還付する効果が高まるでしょう。
 
年収が同じ金額だったとしても、いろいろと控除された後の課税金額が変われば、当然所得税額は同じではありません。会社の年末調整は終わっていたとしても、まだ確定申告に向けて対策をとることは可能です。
 
どんな対策がとれるのか、まずは勤務先から渡された源泉徴収票を見ながら、効率的に控除を使えているか、今後はこんな控除を使えば、税金が還付されるなど、1年の終わりに振り返ってみるのはいかがでしょう。
 

出典

(※)国税庁 令和4年分 源泉徴収税額表
 
執筆者:當舎緑
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

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