更新日: 2023.01.09 控除

今年「社会人2年目」です。1年目の給料より2年目の方が手取りが減るのはなぜですか?

今年「社会人2年目」です。1年目の給料より2年目の方が手取りが減るのはなぜですか?
「社会人2年目は1年目よりも手取りが減るから気を付けて」親や先輩からそう言われたことはありませんか?
 
なぜ、1年目より2年目の方が手取りが減ってしまうのでしょうか。これから社会人2年目を迎える方に向けて、解説していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

社会人2年目の手取りが減る原因は主に住民税にある


 
社会人1年目より2年目の方が手取りが少なくなってしまう理由は、住民税にあります。住民税は前年の1月から12月までの収入の合計を基に決定されます。社会人を迎える前年はほとんどの方が学生であり、住民税が課税されるほど収入がないというのが一般的です。
 
そのため、社会人1年目は多くの場合、住民税が0となるのです。仮に学生時代の収入が多かったとしても、社会人と変わらないくらい稼いでいるというケースはごくまれで、発生する住民税は少なくなることが大半でしょう。
 
しかし、社会人2年目になると、その前年に当たる社会人1年目の収入を基に住民税が決定されます。住民税の税率は10%です。
 
仮に社会人1年目の年収が300万円、各種控除された後の課税対象となる金額が110万円だった場合、発生する住民税は年間で11万円ほどとなり、月々9000円程度手取りから住民税が控除されることになります。
 
2年目に入るとき、昇給が住民税の額を超える額であればよいのですが、昨今では2年目になっても昇給がなかったり、あったとしても数千円程度で住民税未満となったりすることも少なくありません。
 
そういった背景から、社会人2年目の手取りは、住民税によって1年目よりも少なくなってしまうのです。
 

人によっては社会人3年目は2年目よりもさらに手取りが少なくなることも

あまり話題になることはないのですが、実は、社会人3年目は2年目よりもさらに手取りが減ってしまう場合があります。
 
その理由は入社時期にあります。社会人1年目はほとんどの方が4月入社となり、その年の1月から3月までは学生となっているはずです。収入が発生するのは4月から12月までとなるため、2年目に発生する住民税は本来の額の3分の2程度になります。
 
しかし、社会人2年目は1月から12月まで1年間フルで収入が発生するため、3年目に発生する住民税は2年目よりも高くなることがほとんどです。
 
そういった状況において、昇給がない、あるいは住民税の増加分未満の昇給だったという場合、3年目は2年目よりもさらに手取りが減ってしまうのです。
 

住民税を節税する方法はないの?

まだまだ手取りの少ない社会人1年目、2年目の方の中には、「翌年の住民税を安くしたい」と何か節税できる方法を模索している方もいらっしゃることでしょう。
 
そんな方におすすめなのが、ふるさと納税です。ふるさと納税は、所得によって上限があるものの、寄付した金額に応じて翌年の住民税が安くなり、かつ返礼品を受け取ることができるという制度です。
 
自己負担額が2000円生じますが、フルタイムで働く会社員であれば返礼品と住民税の控除額がそれを上回るため、ぜひ活用したい節税方法です。
 
また、60歳以降まで拠出したお金を引き出すことはできませんが、iDeCoに加入して保険料を拠出する方法も有効です。iDeCoの掛け金は全額所得控除となるため、将来に備えながら住民税が節税できます。
 
なお、生命保険や医療保険などでも拠出した掛け金が控除の対象となり、住民税を節税できます。しかし、節税目的での保険加入は、万一への備えという本来の保険の目的から外れており、安易に決めてしまうと不必要な保険に加入する恐れもあるため、ご注意ください。
 

社会人2年目は1年目もよりも手取りが減ることを覚悟しておくべき

社会人2年目を迎えるに当たっては、住民税が発生すると覚えておくことが重要です。発生する住民税の額や昇給の額によっては1年目より手取りが減り、生活が苦しくなってしまう可能性があります。
 
まだ住民税が発生していない社会人1年目の方は、2年目にどれくらい住民税が発生するのか想定し、手取りが減っても生活が苦しくならないよう、準備をしておくことをおすすめします。
 

執筆者:柘植輝
行政書士

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