更新日: 2023.01.26 その他税金

住民税はどういう場合に非課税になる? 免除になる手続きは必要なの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

住民税はどういう場合に非課税になる? 免除になる手続きは必要なの?
住民税は、住んでいる都道府県や市区町村に納める地方税です。地域や収入によって納税額は異なりますが、収入減などを理由に納税が難しい人もいるのではないでしょうか。
 
実は、既定の条件や所得に該当すれば、住民税は非課税になります。また、住民税が非課税の場合、国民健康保険料の軽減をはじめとする優遇措置を受けられますので、事前に条件を確認しておくことが重要です。
 
本記事では住民税の仕組みをはじめ、住民税非課税になる条件や受けられる優遇措置について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

住民税の仕組み

住民税は、毎年1月1日時点で住民票登録がある都道府県および市区町村に納める税金で、以下の2つによって構成されています。

・均等割:均等割は収入を問わず、一律で課される税金です。現在、都道府県民税は1500円、市区町村税(東京23区は「特別区民税」)は3500円と原則決まっており、一部条例で定めている自治体があります。
 
・所得割:所得割とは、前年の1月から12月までの所得に応じて納税額が決まります。前年の総所得金額から所得控除額を差し引いた額に10%乗じた金額が課税されます。

どの自治体も住民税の計算方法は同じです。
 
しかし、税率は自治体ごとに設定できますので、例えば、神奈川県が水源環境保全税として県民税の所得割に0.025%上乗せしているように、環境税や森林税といった独自の税金を上乗せする自治体も存在します。
 

住民税非課税になる条件

以下のすべての条件に該当する場合、住民税の均等割と所得割がともに非課税扱いになります。

・生活保護法の規定による生活扶助を受けている
 
・前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者は年収204万4000円未満)の障害者、未成年者、寡婦(夫)またはひとり親
 
・前年の合計所得金額が一定金額以下

 
※同一生計配偶者や扶養親族がいる場合:35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族数)+21万円+10万円
※同一生計配偶者や扶養親族がいない場合:35万円+10万円(年収100万円以下の給与所得者が該当)

 

住民税非課税になるための手続きは不要

住民税非課税の条件に該当しても、免除になるための手続きは原則不要です。確定申告や勤務先の年末調整などで収入を申告した際に、条件に該当すれば住民税非課税扱いになります。市区町村役所などに足を運んだり、手続きに手間がかかったりすることはありません。
 
「住民税非課税になるための条件をよく理解できていない」「自分は住民税非課税になるのか気になる」という人は、自己判断せず市区町村役所などに確認するのがスムーズでしょう。
 

住民税非課税になると受けられる優遇措置

住民税非課税になると、以下のようにさまざまな優遇措置があります。

・所得に応じて国民健康保険料が軽減
・高額医療費を適用した場合の自己負担額が軽減
・65歳以上の介護保険料が軽減
・保育所の利用が無償化(0~2歳の子どもを保育園に預ける場合、保育の必要性を認められれば無償化の対象)
・NHK受信料の全額免除(身体的障害、知的障害者、精神的障害者が1人でもいる場合)
・申請により国民年金保険料の免除

その他にも、増税などの経済への影響に応じて、住民税非課税世帯の優遇措置があります。住民税(均等割)が非課税の世帯を対象に、令和3年度には臨時特別給付金(10万円)が、令和4年度には電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金(5万円)が支給されています。
 
住民税非課税になるということは、収入が低い方が対象です。受けられる優遇措置や制度を活用して生活の維持を図りましょう。
 

住民税非課税の条件は世帯人数や収入で異なる

住民税の仕組みをはじめ、住民税非課税の条件や受けられる優遇措置などを解説しました。
 
住民税非課税の条件は、前年の合計所得金額や扶養親族などがいるかいないかによって異なります。住民税非課税の制度について理解を深めておけば節税を実現して、生活の充実が期待できるでしょう。
 
合計所得金額の基準などに不安がある場合、市区町村役所の窓口や公式ページなどで確認してみてください。
 

出典

総務省 個人住民税
神奈川県 水源環境を保全・再生するための個人県民税超過課税を延長します
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
厚生労働省 介護保険の1号保険料の低所得者軽減強化
内閣府 幼児教育・保育の無償化概要
内閣府 住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金(10万円/1世帯)のご案内
東京都江戸川区 電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金(住民税非課税世帯等への5万円支給)について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

ライターさん募集