更新日: 2023.02.02 確定申告
副業をするときの注意点は? 確定申告は青色申告にしたほうがよい?
昨今では、コロナ禍の影響により在宅勤務が進み、デジタル技術の進歩もあって、副業をすることが当たり前になってきています。しかし、副業で得た収入は、基本的に20万円を超えると確定申告をする必要があります。
今回は、副業する際の注意点と会社員の確定申告について見ていきましょう。
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
副業をする際の注意点
<会社で副業が認められているか確認しよう>
昨今、筆者の周囲でも副業をする人が増えてきたように感じますが、「社員の労働時間過剰になり本業に影響が出る可能性がある」「会社の情報が流出する可能性がある」などの理由により、副業を認めないとする企業もあります。
したがって副業を行う場合には、現在勤めている会社が副業を認めているか、確認をすることが大前提となります。就業規則で、副業が認められていない場合には規則違反となり、懲戒処分等の対象となりますので今一度確認をしましょう。
<長時間労働に注意>
副業をすることで、収入を増やしたり、自分のやりたいことにチャレンジしたり、将来独立を目指したりすることは非常に良いことです。
しかしながら、副業にのめり込みすぎて、長時間の労働により体調を壊したり、「副業うつ」になったりしては本末転倒です。健康があっての副業ですので、働きすぎや健康を害することにならないように注意してください。
<一定額以上の副業における収入は、確定申告する必要あり>
会社員であれば、原則として給与支払時に源泉徴収されていますので、年末調整を行っている場合は確定申告が不要です。しかし、給与年収が2000万円を超える場合や、副業で原則20万円を超えた場合などは、確定申告をする必要があります。
ただし、副収入を含めて年末調整を受けた給与所得以外の所得が20万円以下の場合には、確定申告は不要です。なお、医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)などの適用を受ける場合は、20万円以下の所得も含めて確定申告を行う必要があります。
確定申告は、青色申告できるのか?
青色申告とは、複式簿記によって取引内容を管理し、申告する制度です。青色申告をすれば、「青色申告特別控除」や「純損失の繰り越し」などができ、税制面で優遇を受けることができます。
しかし、青色申告をできる人は、次の所得がある人に限られます。
(1) 不動産所得
(2) 事業所得
(3) 山林所得
一方、会社員が行っている副業は、所得自体が低く、一時的な所得である場合で、青色申告の対象外となる雑所得として判断され、青色申告の対象外となる場合がほとんどです。
もちろん、不動産所得や事業所得がある人は、青色申告をすることができますが、青色申告をするためには、次の2つの手続きを事前に行う必要があります。
(1) 個人事業の開業届出・廃業届出等手続き
新たに事業所得、不動産所得または山林所得の事業の開始等をした場合には、届け出をする必要があります。副業の場合でも、継続的に行う場合や青色申告を行うためには、提出が必要です。
事業の開始等の事実があった日からひと月以内に税務署に提出する必要がありますが、郵送でも行うことができます。
(2) 所得税の青色申告承認申請手続き
青色申告の承認を受けようとする場合に必要な手続きです。基本的に、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までに提出をする必要があります。
以上の状況を踏まえると、通常会社員が行っている副業では、青色申告をするケースはそこまで多くないと思われます。
しかし、副業の収入が大きく、本格的に事業としてやっている場合などで、税制面で優遇される青色申告をぜひ受けたいという人は、税理士等の専門家に相談するか、税務署に確認するなどすることをお勧めします。
出典
国税庁 副収入などがある方の確定申告
国税庁 青色申告制度
国税庁 [手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続
国税庁 [手続名]所得税の青色申告承認申請手続
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー