更新日: 2023.02.03 控除

医療費控除の仕組みをおさらい。税金が戻ってくる対象となる費用はどれ?

執筆者 : 杉浦詔子

医療費控除の仕組みをおさらい。税金が戻ってくる対象となる費用はどれ?
自分や家族が病気やけがなどの治療をして、医療機関などに支払った医療費が一定の額を超えた場合医療費控除の対象となります。
 
ただし、医療費の中にも医療費控除の対象となるものと、対象外のものがあるため、確定申告の前におさらいしておきましょう。
杉浦詔子

執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)

ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
 
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
 

医療費控除とは

医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までの期間に、自分または自分と生計を一にする配偶者、その他の親族の入院や通院、手術などのために支払った医療費があり、健康保険や生命保険から補てんされる額を引いても一定の額(その年の所得の合計額が200万円以上の方は10万円)を超えている場合、超えた分の医療費について所得金額から引くことができる制度です。
 

《計算式》

医療費控除額=(その年に支払った医療費の総額 - 保険金などで補てんされる金額)-{10万円(所得の合計額が200万円未満の方は合計額の5%)}

 
給与所得者の方も医療費控除を受ける場合は、年末調整とは別に確定申告で手続きを行います。医療費控除を申告することで所得金額が少なくなり、納める税金の額が減るため、差分の税金が戻ってきます。
 

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医療費控除の対象となる医療費とは?

医療費控除の対象となる医療費とは、病気やけがなどの治療を目的とした医療費であり、人間ドックや予防接種、美容や疲れを癒やす目的で医療機関に支払った費用は対象にはなりません。
 
対象の医療費は表1のとおりです。
 
【表1】

医療費控除の対象となる医療費 医療費控除の対象外の費用
医師または歯科医師による診療・治療の対価 健康診断の費用や医師等に対する謝礼金
治療または療養に必要な医薬品の購入の対価 ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金
病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、指定介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設または助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価 疲れを癒やす、体調を整えるといった治療に直接関係がない施術の費用
保健師、看護師、准看護師、または特に依頼した人による療養上の世話の対価(家政婦に病人の付き添いを依頼した場合の療養上の世話に対する対価も含む) 家政婦に病人の付き添いを依頼した場合での、所定の料金以外の心付け。家族や親類縁者に付き添いを依頼した際、付添料の名目で支払ったお金
助産師による分べんの介助の対価
介護福祉士等による一定の喀痰(かくたん)吸引、および経管栄養の対価
介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
医師等による診療、治療、施術、または分べんの介助を受けるために直接必要な以下のような費用

(1)医師等による診療などを受けるための通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用、コルセットなどの医療用器具等の購入代やその賃借料で通常必要なもの

(2)医師等による診療や治療を受けるために直接必要な義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯、眼鏡などの購入費用

(3)身体障害者福祉法、知的障害者福祉法などの規定により、都道府県や市町村に納付する費用のうち、医師等の診療などの費用に相当するものや、上記(1)(2)の費用に相当するもの

(4)傷病によりおおむね6ヶ月以上、寝たきりで医師の治療を受けている場合に、おむつを使う必要があると認められるときのおむつ代

自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金など。また、電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合を除いたタクシー代
骨髄移植推進財団に支払う骨髄移植のあっせんに係る患者負担金
日本臓器移植ネットワークに支払う臓器移植のあっせんに係る患者負担金
高齢者の医療の確保に関する法律に規定する特定保健指導のうち、一定の基準に該当する者が支払う自己負担金

※国税庁 「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」を基に筆者作成
 

確定申告時に注意するポイント

医療費控除を受けるために確定申告を行う場合、以下の点に注意してください。
 
(1)入通院の交通費も医療費控除に含められる
治療のための病院までの往復の交通費は、医療費控除の対象に含められます。確定申告の際は医療費の明細書に鉄道会社やバス会社名を記載し、乗車区間と交通費が分かるようにしておきましょう。
 
(2)医療費控除が適用できるのは治療目的に限る
前述したとおり、人間ドックや健康診断などは健康の保持増進、疾病の予防が目的で治療ではないため、その費用は医療費控除の対象とはなりません。
 
ただし、人間ドッグや健康診断の結果で、がんや心疾患などの重大な疾病と診断されて治療を継続した場合は、それらの費用も医療費控除に含めることができます。
 
(3)セルフメディケーション税制と医療費控除は選択適用
健康の保持増進および疾病の予防を目的として一定の取り組みを行っている方が、自分や生計を一にする配偶者、その他の親族のために年間1万2000円を超える対象の医薬品を購入した場合、超えた部分について8万8000円を限度に総所得金額から控除されるセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)を受けられます。
 
ただし、医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらかの1つの選択適用となるため、両方の控除は受けられません。
 

出典

国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
 
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント