更新日: 2023.02.18 確定申告

アルバイト先が「給料手渡し」なのですが、確定申告は不要でしょうか?

アルバイト先が「給料手渡し」なのですが、確定申告は不要でしょうか?
勤務先によってはアルバイトの給料の支給が手渡しで行われていることもあるようです。最近では手渡しでの支給は珍しいと思いますが、受け取った給料について確定申告が必要なのではないのかと悩む人もいるでしょう。
 
銀行口座への振り込みと異なり、手渡しで給料を受け取っている場合、確定申告はどうすべきなのでしょうか。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

給料は手渡しでも問題ないのか

現在では給料を手渡しで支給する会社はあまり見受けられず、銀行口座への振り込みが一般的となっているため、手渡しについて違和感を覚える方もいるでしょう。
 
とはいえ、給料の手渡しについて違法性はありません。むしろ原則では直接手渡しで支払われることになっており、銀行口座への振り込みは例外的な方法として認められているに過ぎません。そのため、給料を手渡しで受け取っているからと、後ろめたさを感じたり、怪しんだりする必要はありません。
 

手渡しで受け取った給料の確定申告は?

アルバイト先から給料を手渡しで受け取っている場合でも、確定申告は原則として不要です。
 
雇用主は原則、従業員の給料について源泉徴収(給料から税金を差し引き、本人の代わりに納めること)を行う義務があります。アルバイトであっても給料を受け取っている間は源泉徴収がされており、それによって本人にかかる税金について雇用主を通じて納税ができているからです。
 
しかし、源泉徴収されていないという場合、税金を支払っていないことになるので確定申告が必要です。確定申告を行わないままでは税金を支払っていないことになります。
 
こうしたケースでは後々、税務署から指摘が入り、本来の税額よりも高額な税金を納めることになる可能性があります。最悪の場合は銀行口座にあるお金など、自身の財産が差し押さえられることにもなりかねません。
 
なお、毎月の給料が8万8000円未満で、アルバイト先に「扶養控除等申告書」を提出していて課税の範囲内の収入であれば税金はそもそも発生しないため、源泉徴収がされていなくても確定申告の必要はありません。同様に年間の給料での収入が103万円以下の場合も、基本的に確定申告は必要ありません。
 

ダブルワークの場合は確定申告が必要

勤務先で源泉徴収されている方でも、ダブルワークをしている場合は確定申告が必要となる場合があります。源泉徴収はあくまでも、その勤務先のみの給料が基準になっています。すべての勤務先の給料を合算し、税金の申告と納付を正しく行うために確定申告が必要となることもあるのです。
 
まれに「年末調整を受けているから大丈夫」と言われる方もいますが、それは間違いです。年末調整は1つの勤務先でしか受けられず、かつ、その勤務先の給料のみを基に行っているため、年末調整を受けていてもダブルワークをしている場合は確定申告が必要になるでしょう。
 

確定申告をするにはどうしたらいい?


 
ダブルワークをしているなど、アルバイト先の収入について確定申告が必要という場合、すべての勤務先から源泉徴収票を受け取ることが必要です。
 
源泉徴収票とは、その勤務先で年間に受け取った給料や源泉徴収された税金の額などが記載されているものです。確定申告ではその内容を基に、翌年の2月中旬から3月中旬までの期間に行うこととされています(令和4年分の所得税の確定申告は、令和5年2月16日から3月15日)。また、申告先は自身の住所地を管轄する税務署です。
 
確定申告は手続きが難しいと思われるかもしれませんが、現在はマイナンバーカードがあればスマートフォンで比較的手軽に済ませることができます。確定申告の詳細については、国税庁のホームページなどでご確認ください。
 

アルバイトの給料が手渡しでも確定申告は原則不要

アルバイト先で給料が手渡しの場合でも、源泉徴収がされるため、基本的には確定申告は不要です。
 
しかし、年収が103万円を超えているにもかかわらず、源泉徴収がされずに所得税が引かれていない、またダブルワークでの収入を合算すると年収103万円を超えているようなケースでは、確定申告が必要となることがあります。
 
給料を手渡しで受け取っている場合、自身の年収や勤務先での源泉徴収がどうなっているか、一度確認してみることをおすすめします。
 
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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