更新日: 2023.02.18 控除

「住宅ローン減税」で税金はいくら安くなる?「30万円以上」所得税が安くなるって本当?

「住宅ローン減税」で税金はいくら安くなる?「30万円以上」所得税が安くなるって本当?
「住宅ローン減税」によって、何十万円も節税できるケースがあります。マイホームを新築したり増改築したりした人にとってはありがたい制度ですが、その仕組みはよく分からないという人もいるでしょう。
 
この記事では、住宅ローン減税の仕組みについて解説します。税金がいくら安くなるかについても紹介しますので、マイホームの取得や増改築を検討中の人は参考にしてください。
西岡秀泰

執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)

社会保険労務士・FP2級

住宅ローン減税とは

まず最初に、住宅ローン減税の意味や内容について解説します。
 

正式名称は「住宅借入金等特別控除」

住宅ローン減税とは、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得や増改築などを行った場合、年末のローン残高に応じて一定額の所得税を控除する制度です。
 
一般的には住宅ローン減税と呼ばれますが、正式には「住宅借入金等特別控除」と言います。社会保険料控除や生命保険料控除などの「所得控除」と異なり、住宅ローン減税は「税額控除」の1つです。
 
少し紛らわしいですが、控除額10万円の場合、所得控除では課税所得金額が10万円減少(税率10%なら1万円税金が安くなる)のに対し、税額控除では所得税が10万円安くなります。住宅ローン減税は控除額が大きくなりやすいため、大きな節税が期待できます。
 

住宅ローン減税を受けるための条件

住宅ローン減税を受けるためには、次の条件を満たさなければなりません。
 

・自分が居住する住宅であること
・10年以上の住宅ローンを組んでいること
・住宅の床面積50平方メートル以上など所定の要件を満たしていること など

 

住宅ローン減税による減税額の計算方法

住宅ローン減税によっていくら節税できるか、計算方法を解説します。
 

2022年4月以降の減税額の計算方法

住宅ローン減税の計算方法は居住を開始した年度によって異なります。2022年度から2025年度の計算方法は次の通りです。
 
・控除額=年度末の住宅ローン残高×0.7%
 
ただし、控除額には上限が設けられていて住宅の区分と年度によって上限額は異なります。
 
図表1(控除額の上限額)

住宅の区分 2022~2023年度 2024~2025年度
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 35万円 31万5000円
特定エネルギー消費性能向上住宅 31万5000円 24万5000円
エネルギー消費性能向上住宅 28万円 21万円
一般の新築住宅 21万円 (14万円)

国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除) より筆者作成
 
住宅ローン減税が受けられる期間は最大13年間ですが、一般の新築住宅(2023年度末までに建築確認を受けた住宅)で2024〜2025年度に入居した場合については10年間です。2024年度以降に建築確認を受けた一般の住宅は、住宅ローン減税の対象にはなりません。
 

減税額の計算例

2022年度に新築・入居した認定長期優良住宅について、減税額を計算してみましょう。2022年度末の住宅ローン残高が5100万円、2023年度末が4800万円と仮定します。
 

・2022年度の控除額:5100万円×0.7%=35万7000円→上限額35万円
・2023年度の控除額:4800万円×0.7%=33万6000円

 
住宅ローン減税によって、2022年度は35万円、2023年度は33万6000円も所得税が安くなります。所得控除による節税と比較して、住宅ローン減税による節税効果は大きくなることがあるのです。
 

マイホームを新築・増改築したときは忘れずに申告しよう

住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得や増改築などを行った場合、要件を満たせば一定額の所得税が控除されます。2022年度から4年間の控除額は原則ローン残高の0.7%で、最大13年間の税額控除が受けられます。
 
住宅ローン減税は申告しないと受けられないため、マイホームを新築・増改築したときは忘れずに申告しましょう。
 

出典

国税庁 No.1225住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等
国税庁 No.1211-1住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
 
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級
 

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