更新日: 2023.03.09 確定申告

投資で不労所得を実現したい! 投資の利益と税金の関係

投資で不労所得を実現したい! 投資の利益と税金の関係
「老後の生活が心配だが、今から仕事をする自信もない」と思ったときに頭に浮かぶことの1つのが「不労所得」でしょう。不動産のオーナーになって家賃収入を得るというほどの資金もない場合、「株式投資」が選択肢に入るかもしれません。
 
投資で利益が出たときの税金について考えてみたいと思います。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

「申告不要」にすれば証券会社に任せられるが……

勤務していないので給与所得がなく、まだ年金収入もない。この前提で株式投資を始めた場合、口座を開設した証券会社に税金関係をすべて任せると、「源泉分離課税」といって、株式を売却したときの所得について15%相当の所得税が、住民税については5%が源泉徴収されて課税関係は終了します。特に自分で手続きをする必要はありません。
 
例えば、購入した銘柄の株価が50万円から100万円に値上がりして50万円の利益が得られたとすると(正式には委託手数料等も差し引きますが、ここでは簡単化のために割愛します)、この50万円の利益に対して50万円×(15%+5%)=10万円の税金があらかじめ差し引かれ、手元に40万円が残ります(うち所得税は50万円×15%=7万5000円です)。
 

「申告分離」で確定申告すれば還付が受けられる場合も

一方、確定申告を選択した場合に、ほかに所得がないとすると、総合課税で基礎控除48万円 (確定申告で所得税額の計算をする場合に、所得から差し引くことができる控除です)を50万円から控除します。残り2万円に対し、15%の税率をかけて計算される所得税の金額は3000円です。
 
源泉徴収選択口座では、譲渡所得に対してすでに7万5000円が源泉徴収されていますので、確定申告すれば差額の7 万2000円が還付されます。
 

「ちょっとした時間」「工夫」「情報収集」がコツ

以上のように、確定申告をするのと、申告不要にするのと同じ50万円の利益に対して7万2000円の差が出たことが確認できました。
 
かつて、確定申告といえば、マニュアル本を片手に四苦八苦した時代がありましたが、最近では、さまざまな確定申告用アプリが普及しています。また、マイナポータルから指示に従って進めていくことができるようになっています。
 
日頃から投資に対して好奇心をもって情報収集したり、わからないことをそのままにせず行政の窓口に行って解決しようとしたりするなど、時間や工夫を惜しまずに続けていくことが、お金との上手な付き合い方といえるのかもしれません。
 

出典

国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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