うっかり130万円の壁を超えてしまった! 会社や保険組合にバレる? どうすればいい?
配信日: 2023.03.15
本記事では、扶養内で働いている人が年収130万円を超えてしまった場合に、どうすればいいか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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扶養から外されるかは保険組合の判断
一般的に「130万円の壁」といわれるのは、社会保険の扶養要件を満たすかどうかのボーダーラインです。
会社員で配偶者等の扶養に入っている場合、年収130万円を超えると厚生年金保険への加入義務が発生し、保険料を払わなければなりません。保険料を払うと手取り収入が減ってしまうため、「130万円の壁」を超えないように調整して働く人も多いです。
では、うっかり、または一時的に130万円を超えてしまった場合は、会社や保険組合にバレてすぐに扶養から外されてしまうのでしょうか。
一時的に上がっただけでは処分されない
結論からいえば最終的には各保険組合が判断するので、一概にはいえません。一時的に収入が130万円を超えた場合でも、すぐに扶養から外されるわけではありません。
厚生労働省保険局保険課から各保険組合に対して、「被扶養者の収入の確認における留意点」という通知が出されています。
そのなかで「被扶養者認定を受けている方の過去1年間の収入が、昇給又は恒久的な勤務時間の増加を伴わない一時的な事情等により、その1年間のみ上昇し、 結果的に130万円以上となった場合においても、原則として、被扶養者認定を遡って取り消さないこと。」とされています。
つまり、「一時的に収入が増えただけでは扶養を取り消さないで」といわれています。そのため、うっかり130万円の壁を超えてしまっても、すぐ扶養を外される可能性は低いでしょう。
年130万円を超えたら会社や保険組合にバレる?
「被扶養者の収入の確認における留意点」では、「少なくとも年1回は保険者において被扶養者に係る確認を行い、被扶養者の要件を引き続き満たしていることを確認することが望ましい」とも記載されています。そのため、原則年1回以上は状況の確認をされることが多いですが、どこまで厳格に確認するかは保険組合によります。
扶養されている人の課税証明書や源泉徴収票、確定申告書などの資料提出を義務付けられている場合はバレます。自己申告の場合はすぐにバレる可能性は低いですが、後になってあまりに実際の状況とかけ離れているような場合はペナルティーを課されるリスクもあります。
年130万円を超えてしまった場合はどうすればいい?
あくまで判断するのは保険組合なので、一時的でも130万円を超えてしまった場合は、保険組合に確認や相談することをおすすめします。
社会保険の被扶養者に当たるかどうかは、現在の収入だけでなく過去の実績や将来の見込みも含めて総合的に判断されます。細かい基準は保険組合ごとに異なるので、人によって判断が分かれることもあります。
うっかり、または一時的にではなく、シフトの増加や正社員登用などによって今後も130万円を超える可能性がある場合は、扶養から外れて自分で社会保険に入る選択肢もあります。社会保険料の負担が発生しますが、厚生年金に加入すると将来的に自分の年金額が増えるメリットがあるので、130万円以内に抑えるのとどちらがよいか検討してみましょう。
まとめ
今回はうっかり年収130万円の壁を超えてしまった場合に会社や保険組合にバレるのか、どうすればいいのか解説しました。
厚生労働省からの通知もあるので、一時的に少し収入が増えただけではすぐに扶養を外されたり、処分されたりする可能性は低いと思われます。ただし最終的に判断するのは各保険組合なので、配偶者等をとおして確認や相談を行うことをおすすめします。
また、2022年(令和4年)10月から社会保険加入の適用が拡大されました。勤務先の規模によっては年収130万円以内でも「賃金の月額が8万8000円以上」だと社会保険への加入義務が発生する可能性があります。自分の勤務先がどれに当たるのかも確認しておきましょう。
出典
厚生労働省 被扶養者の収入の確認における留意点について(再周知)令和3年2月
日本年金機構 令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部