更新日: 2023.04.15 控除

医療費控除は確定申告の期限が過ぎても、5年間ならさかのぼって申告できる! 申告方法は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

医療費控除は確定申告の期限が過ぎても、5年間ならさかのぼって申告できる! 申告方法は?
1年間の医療費が一定額を超えた場合には、医療費控除が受けられます。医療費控除を受けるためには確定申告が必要ですが、うっかりしていて申告期限が過ぎていたということはありませんか?

実は、過去5年間までならさかのぼっての医療費控除の申告が可能なのです。本記事では、申告期限が過ぎてしまった場合の医療費控除の申告方法を解説します。
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医療費控除の基礎知識

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に所得控除が受けられる制度です。
 

医療費控除の仕組み

医療費控除では、1年間(1月1日~12月31日)に支払った納税者本人や、納税者と生計をともにする配偶者やその他親族の医療費が10万円を超えた場合に、その医療費を基に算出した金額分の所得控除が受けられます。
 
計算式は、「実際に支払った医療費の合計額」-「保険金などで補填される金額」-「10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%)」です。なお、控除の限度額は200万円となっています。
 

医療費控除の対象となる医療費

医療費控除の対象となるのは、診療費、治療費、通院費、入院費、薬代などの医療機関で発生する主な費用です。その他にも、医師等の診療や治療を受けるために必要な義手、義足、松葉づえ、補聴器などの購入費用、あん摩マッサージ指圧師、はり師、柔道整復師による治療や施術などの費用も対象になります。
 

医療費控除の手続き

医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。これは、年末調整の対象となる給与所得者であっても同じです。
 

医療費控除の注意点

医療費控除は、医薬品の購入費用に対して所得控除が受けられる「セルフメディケーション税制」との併用はできません。うっかりして「セルフメディケーション税制」を選択してしまうと、医療費控除が受けられなくなるため注意が必要です。
 

過去5年間の医療費控除をさかのぼって申告する方法

医療費控除の確定申告期限が過ぎていたとしても、過去5年間までなら還付申告が可能です。還付申告することで、過去5年間の医療費控除が受けられます。
 

還付申告とは何か?

還付申告は、確定申告が必要ない人(所得税が給与から源泉徴収されている給与所得者など)が、納め過ぎた税金の払い戻しを受けるための手続きです。
 
通常の確定申告の期限は毎年2月16日~3月15日までの1ヶ月間ですが、還付申告の場合は、当申告を行う年分の翌年1月1日から5年間であればいつでも申告できます。例えば、2018年分の医療費控除の還付申告は2023年12月31日まで可能です。
 

還付申告の方法

還付申告の方法は、基本的に通常の確定申告と同じです。確定申告書に必要事項を記入して「医療費控除の明細書」とともに、住所地を所管する税務署に提出します。
 
e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用すれば、パソコンやスマホで申告書を作成して送信することも可能です。
 

医療費控除を還付申告する際の注意点

過去5年間分の医療費控除の還付申告を行う場合であっても、合算して一括申告はできません。5年間分の還付申告をする場合は、各年の医療費を算出した上で、10万円を超えていた年の還付申告を個別に行ってください。
 

無申告の医療費控除は忘れないうちに還付申告しよう

1年間の医療費が10万円を超えた場合は、医療費控除による所得控除が受けられます。
 
医療費控除を受けるためには確定申告が必要ですが、過去5年間までならさかのぼっての還付申告も可能です。なお、5年間分の一括申告はできないため、各年の医療費を算出した上で、個別に申告します。
 
申告後に医療費控除が適用されると、それぞれの年の控除額が算出されて払い戻されます。5年が過ぎると申告できなくなるため、過去5年間に医療費が10万円を超えた年がありながら医療費控除を受けていない場合は、忘れないうちに還付申告しておきましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 医療費控除を受ける方へ
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1122 医療費控除の対象となる医療費
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2030 還付申告
国税庁 確定申告・還付申告
国税庁 電子納税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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