年末調整の還付金はいつ、どうやってもらえる? 確認方法は?
配信日: 2023.04.24
では、年末調整によって所得税の払い過ぎが判明した場合に、還付金はいつ、どのような方法で還付されるのでしょうか。その確認方法とともに解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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そもそも年末調整って何?
年末調整は、給与所得者の所得税の過不足を精算するための手続きです。所得税が毎月の給与から天引きされる給与所得者にとっては、払い過ぎた税金を取り戻すため、または不足した税金を支払うための不可欠な制度であるといえます。
・年末調整の概要
会社員などの給与所得者の所得税は、原則給与や賞与からの天引きです。これを、源泉徴収とよびます。会社員は年末調整があるため、確定申告が不要になるというメリットがあります。
ただし、源泉徴収された納税額は概算であり仮の金額のため、そのままでは申告できません。そこで、各種控除額を引いて改めて計算(調整)し直したうえで申告しています。1年間の給与や賞与の金額が確定する、原則12月に行われることから、一連の作業を年末調整とよんでいます。
・年末調整の対象者
年末調整の対象となるのは、会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出した給与所得者です。ただし、給与所得者でも以下のいずれかに該当する人は、確定申告が必要となります。
1. 給与の年間収入金額が2000万円を超える人
2. 1ヶ所から給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
3. 2ヶ所以上から給与の支払を受けている人のうち、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人
(注)給与の収入金額の合計額から、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、かつ、給与所得および退職所得以外の所得金額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。
4. 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
5. 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
6. 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
7. 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人
※国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」より
年末調整の還付金の仕組み
年末調整によって所得税の払い過ぎが判明して、還付金がもらえることになった場合、いつどのような方法で返ってくるのでしょうか。
・還付金はいつになればもらえるのか?
年末調整は1年間の給与や賞与の確定後に行われるため、12月の給与や賞与が判明しなければ計算できません。そのため、年末調整によって所得税の払い過ぎが判明した場合、12月の給与か翌年1月の給与に上乗せされて返ってくるのが一般的です。
ただし、会社によっては手渡しや給与とは別に振り込まれることもあります。お勤めの会社の返還方法に関しては、あらかじめ経理部に問い合わせておくと安心です。
・還付金の確認方法
給与によって返還される場合は、給与明細で確認することになります。還付金の金額が記載されているのは、給与明細の「年末調整還付」という項目です。ただし、「年末調整還付」の項目がない給与明細もあるため、そういった場合は経理部へ問い合わせて還付金があるかどうか確認してください。また、給与とは別に振り込まれる場合は通帳などで確認できます。
医療費控除や給与所得以外の所得があった場合などは「確定申告」が必要
会社員などの給与所得者の所得税は、給与や賞与から源泉徴収するのが原則のため、その時点では正確な納税額ではありません。そのため、ほとんどの会社では、1年間の給与と賞与の金額が確定する12月に各種控除証明書などを提出させたうえで、年末調整を行って正確な金額を算出しています。
もし、年末調整で払い過ぎが判明した場合は12月か翌年1月に返還されるため、給与明細を見たり経理部に問い合わせたりして確認しましょう。
なお、1ヶ所からの給与の支払いを受けている場合は医療費控除や給与所得以外に20万円超、2ヶ所以上から給与の支払いを受けている場合は、年末調整がされなかった給与の収入金額と給与所得や退職所得以外の所得の合計額が20万円超などの人は確定申告が必要です。
出典
国税庁 年末調整の対象となる人
国税庁 給与所得者(従業員)の方へ(令和4年分)
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
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