昔買ったブランドバッグや時計がフリマで高く売れた場合、税金をとられるの?
配信日: 2023.05.16
この記事では、国税庁での基本ルールを基に、フリマアプリなどでの売却時に課税されるケースと、そうでないケースについて解説します。税金の考え方について知りたい方は参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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生活用動産の譲渡による所得は基本的に課税されない
会社員などで、給与所得や退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える場合には、確定申告が必要になります。そのため、フリマアプリなどでの売り上げについても、確定申告の対象になるのか気になる方は少なくないでしょう。
資産を売却したことで得る所得は譲渡所得と呼ばれ、課税対象になります。しかし、中には所得税の課されない譲渡所得があり、その1つが「生活用動産の譲渡による所得」です。
生活用動産の譲渡による所得とは、家具や衣服、じゅう器など、生活に通常必要な動産の譲渡による所得で、かつて生活日用品として通勤時などに使用していたブランドバッグや時計も、ここに含まれると考えられます。
つまり、昔使っていたブランドバッグや時計を不用品としてフリマアプリで売却した場合には、基本的には課税されません。
生活用動産の譲渡でも課税されるケース
ブランドバッグや時計、衣服などの生活用動産であっても、転売やせどりなどの営利目的での売却で継続性がある場合は事業所得となり、課税対象となるだけでなく、場合によって古物商登録が必要となる可能性があります。
また、貴金属や宝石、書画、骨董品などで、1個または1組の価額が30万円を超えるものを売却したときの所得は、課税対象になります。時計に関しては、モデルによっては骨董品として扱われる可能性もあるため、取り引き額に応じて、税務署に確認することも検討しましょう。
譲渡所得(総合課税)の計算方法
念のため、譲渡所得の計算の仕方も知っておきましょう。
土地・建物や株式以外の資産を売ったときの譲渡所得は、原則として総合課税の対象となります。譲渡所得の計算式は、以下のとおりです。
譲渡所得の金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(その年の限度額50万円)(※)
(※)譲渡所得は所有期間によっても異なり、所有期間が5年を超えている場合には長期譲渡所得、所有期間が5年以内の場合には短期譲渡所得とみなされます。短期譲渡所得の場合には、全額が総合課税の対象になりますが、長期譲渡所得ではその2分の1が総合課税の対象です。
また、譲渡所得の特別控除の額は、その年の長期の譲渡益と短期の譲渡益の合計額に対して50万円であり、その年に短期と長期の譲渡益があるときは、先に短期の譲渡益から特別控除の50万円を差し引きます。
仮に、10年前に20万円で購入したブランドバッグが、フリマアプリで40万円で売れた場合の譲渡所得を計算式に入れてみましょう。譲渡費用は特になかったものとみなします。
このケースでは、
(40万円-20万円-50万円)×2分の1
となり、そもそも譲渡所得が特別控除額の金額を下回っていますので、譲渡所得は発生しません。
不安な場合はお近くの税務署に相談を
生活日用品の範疇に入るブランドバッグや時計を、フリマアプリなどで処分目的で売却した場合の利益には、基本的に課税されません。
ただし、本記事での解説はあくまで一般的な見解となります。思った以上に譲渡益が発生したなど、ご自身のケースが非課税となるかどうか、自己判断が難しい場合には、確定申告のタイミングまでに最寄りの税務署に相談しておきましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
国税庁 確定申告が必要な方
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
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