更新日: 2023.06.09 その他税金

退職金を受け取ったら税金の申告をしないといけないの? 必要・不要なケースとは?

退職金を受け取ったら税金の申告をしないといけないの? 必要・不要なケースとは?
会社を辞める際にもらえる退職金を、老後の生活資金として考えている人も多いのではないでしょうか? しかし、退職金も所得となるため、給与や賞与と同じように受け取る際には税金がかかります。そのため、基本的には申告をしなければならないものです。
 
そこでこの記事では、退職金にかかる税金の仕組みと、退職金に税金がかからないケースについて詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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退職金にかかる税とは

退職金にかかる税金は、所得税および復興特別所得税と、住民税です。
 
退職金にまで税がかかるなんて、と思う人もいるかも知れませんが、退職金にかかる税には、退職所得控除や、他の所得との分離課税などにより、なるだけ負担が軽くなるよう配慮されています。
 
基本的に、これらの課税は源泉徴収における天引きとなるため、勤務先から受け取る場合には自分で申告する必要はありません。
 
ただし、生命保険などで支給される退職一時金も税務上は退職金に含まれます。そのため、勤務先以外から退職金を受け取った場合には、退職所得として自身で申告しなければなりません。
 
退職金にかかる所得税がいくらになるのかは、退職金の額や勤続年数によって異なります。まず、退職金の金額から退職所得控除額を引きます。
 
退職所得控除額の計算式は、勤続年数が20年以下の人であれば「40万円×勤続年数」、勤続年数が20年以上の人であれば「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」です。
 
こうして、額面上の退職金額から退職所得控除額を引いて2分の1をかけた額が、課税退職所得金額(A)になります。この課税所得金額に所得税率をかけ、その額から控除額を引いた額が退職所得の所得税額(B)です。
 
所得税率と控除額は、課税退職所得金額(A)がいくらかによって異なります。例えば、課税退職所得金額が330万円から694万9000円までだった場合、税率は20%、控除額は42万7500円です。さらに、この所得税額(B)の2.1%が復興特別所得税額になります。
 
また、住民税額がいくらになるのかは、住んでいる地域によって異なります。所得割の場合、税率は一律10%です。
 

所得税がかからないケースとは

前述のように、退職金には所得税および復興特別所得税がかかりますが、場合によっては非課税になることがあります。それは、額面上の退職金額が退職所得控除額以内だった場合です。
 
勤続年数が20年以内であれば「40万円×勤続年数」以内、勤続年数が20年以上であれば退職金額から「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」を引いた額が0になる場合、所得税はかかりません。
 
つまり、勤続年数20年までであれば退職金800万円まで、25年であれば1150万円まで、30年であれば1500万円までは、実質的に所得税および復興特別所得税がかからないことになります。
 

退職金にかかる税の仕組みをしっかり把握しておこう!

退職金をいくら支給されるかは、老後の暮らしを考える上で、非常に重要なポイントです。引かれる税のことを考慮せずに退職金を当てにしていると、後で困ったことになるかもしれません。
 
退職金にかかる所得税や住民税の仕組みを、しっかり把握しておきましょう。また、退職金額によっては所得税がかからないこともあります。自身の場合はどうなのかも、あらかじめ計算しておくと安心です。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
国税庁 退職金と税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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