マイホームの「家屋調査」は何を見てる? どうしたら「固定資産税」が安くなるの?
配信日: 2023.06.23
しかし、「家屋調査なんて人生で初めての経験」という人がほとんどでしょう。本記事では、家屋調査でチェックされる場所や固定資産税を安く抑えられるポイントを解説します。
執筆者:佐々木咲(ささき さき)
2級FP技能士
固定資産税の家屋調査とは
不動産にかかる固定資産税は、固定資産税評価額に基づいて計算されます。ただ、新築物件についてはこの固定資産税評価額がまだ決まっていません。かといって、登記簿謄本の情報だけで簡単に決められるものではありません。公平に正しい評価をするために、実際の建物を見る必要があるのです。これが家屋調査です。
ただし、家屋調査の実施は地域によってやり方が異なっています。新築物件すべてを調査するところ、ランダムに調査するところ、注文住宅のみ調査するところなどさまざまな場合があります。ちなみに東京都では、必要資料を送付するだけの調査と、現地で立ち会う調査があるようです。
家屋調査の流れ
「役所の職員が来る」「家を調査される」と聞くと構えてしまいがちですが、流れを知っていれば安心して対応できるでしょう。家屋調査の一般的な流れは以下のとおりです。
- (1)入居後1~3ヶ月後に家屋調査の事前連絡がある
- (2)日程を決める
- (3)指示された書類(平面図、立面図、工事契約書など)を準備する
- (4)調査員が来て調査する(30分~1時間程度)
家屋調査で見られているところ
それでは、家屋調査の調査員は一体どこを見ているのでしょうか。これを知っておくと、少しは内心穏やかに調査を見守れるのではないでしょうか。そして、調査員が見ているところが分かれば、建築の際に注意することで固定資産税を下げられる可能性があるということでもあります。
玄関の床材
家の顔である玄関ですが、調査員も最初にチェックします。玄関はタイルかモルタルで施工されていることがほとんどですが、タイル張りの方が固定資産税は高くなります。
トイレと手洗い場の数
トイレに関しては、まず個数で固定資産税が決まります。今は2階にもトイレを設置する家が増えていますが、1階のみにある場合より固定資産税は高くなります。トイレは1ヶ所であっても、男性用と女性用とで分かれている場合には、2つあるものとされます。
また、便器とは別に手洗い場が設置されている場合も固定資産税は高くなります。
風呂の広さ
風呂は広さが160センチメートル×160センチメートルの標準サイズを超えると固定資産税が高くなります。換気扇に乾燥機能が付いている場合も同様です。
脱衣洗面所の給水口の数
脱衣所の給水口が多いと固定資産税が高くなります。また、洗面台は標準幅である75センチメートルを超えると高くなります。
部屋の壁材と床材
室内に貼られている壁材と床材の素材もチェックポイントです。壁材はクロスがほとんどですが、漆喰などの塗り影やタイルになると固定資産税は高くなります。床材はフローリングよりも無垢材の方が高いです。
キッチンの幅
標準サイズである255センチメートルを超えるキッチンを設置している場合には高くなります。なお、ステンレスや人工大理石などの素材や、熱源はチェック対象外です。
外壁と屋根材
外壁はサイディングが多いですが、塗り壁やタイルを使用している場合には高くなります。屋根は瓦葺(かわらぶき)が高いです。
まとめ
家屋調査は建物部分の固定資産税を決定するために行われるので、連絡が来たら必ず受けましょう。指示に従うだけで大丈夫です。固定資産税のために作りたい家を変える必要はないと思いますが、こだわりがなく「何でもいい」という部分に関しては、固定資産税が安くなるように作るのもよいでしょう。
出典
東京都主税局 固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士