更新日: 2023.07.19 控除

【特定支出控除】を解説! 今年こそ「スーツ」「図書費」代金を経費化する!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【特定支出控除】を解説! 今年こそ「スーツ」「図書費」代金を経費化する!
特定支出控除は、給与所得者が毎年行う税金の申告において、重要な控除の仕組みとなっています。しかし、その内容については詳しく知らない人も多いようです。例えば、特定支出控除では、スーツ代や図書費といった、普段から発生する出費が、控除の対象になります。
 
本記事では特定支出控除の概要や、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
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特定支出控除とは?

特定支出控除は、給与所得者が行った、特定の支出についての控除の仕組みであり、給与所得者が負担する所得税を軽減する効果があります。「特定支出」とは、給与所得者が支出する一定の支出のことで、業務を遂行する上で発生する経費などが含まれます。
 
特定支出控除の金額は、給与所得控除後の所得金額から差し引くことができます。また「特定支出」に当たる支出が給与所得控除の半分を超える場合が対象です。
 
このような特定支出控除は、これらの支出が仕事上、必要でありかつ個人の生活費とは異なる、という考え方に基づいています。この制度を活用することで、給与所得者は仕事に関連する出費を抑えつつ、適正な税金を納付できます。そのため、特定支出控除は給与所得者にとって、知っておきたい制度といえます。
 

「特定支出」とはなにか?

特定支出控除の対象となる「特定支出」は具体的に次のようなものです。これらの具体例は一例であり、支出内容が控除の対象となるかどうかは、個々の税法、状況、または税務専門家のアドバイスにより異なる場合があります。
 
また、これらの特定支出は、給与の支払者や、キャリアコンサルタントが証明したものに限られ、また特定支出控除を受けるためには確定申告が必要になります。
 

・通勤費

一般の通勤者が日常的に使用する公共交通機関の費用や、自家用車を使用した場合のガソリン代など。
 
ただし、正社員の場合は会社から交通費が支給されることがほとんどですので、派遣社員やパートの方で交通費を自己負担している人や、遠方から勤務先に通っている人が利用するというケースが多いでしょう。
 

・職務上の旅費

出張のための交通費や宿泊費、出張先での食事代など。
 

・転居費

転勤による引越し費用、新居の家具や家電の設置費用など。
 

・研修費

職務に直接必要な技術や知識を得るための、セミナーや研修会の参加費、教材代など。
 

・資格取得費

業務に必要な資格を得るための費用も特定支出で、会社から補助をもらわず資格試験を受ける場合。公認会計士や税理士などの資格を取得するための試験料、学習教材の費用、学習塾の受講料など。
 

・帰宅旅費

単身赴任者が自宅と勤務地の間を移動するための交通費、実家への帰省費など。
 

・勤務必要経費

業務に関連する書籍や新聞、定期刊行物の購入費用(図書費)、制服や事務服、作業服などの購入費用(衣服費)、なお、アパレル関係で職務中に着用する自社ブランドの服を購入する場合も特定支出に適用。そのほか、業務上の交際費や接待費、クライアントへの贈答品代(交際費等)など。
 

特定支出控除のメリットとデメリット

特定支出控除のメリットは、給与所得者が支払う税金の負担を軽減できる点にあります。また、これらの支出を行うことで自身のスキルアップや職務の遂行に寄与するとともに、税金の節約につながるという、一石二鳥の効果が期待できます。
 
一方、特定支出控除のデメリットは、その手続きの煩雑さです。確定申告の際に、特定支出に関する明細書や、給与の支払者の証明書を申告書に添付しなければならないため、一定の手間と時間が必要となります。また、支出の証明が必要な場合もあるため、レシートや領収書などの保存と管理も欠かせません。
 

特定支出控除の理解と活用でスマートな節税を

特定支出控除は、給与取得者にとって、職務上必要な出費に注目し、税金の負担を軽減する有効な手段です。特に書籍やスーツなど、日常的に発生する経費が節税対象になる点がポイントです。ここで紹介した項目を念頭に置きながら、節税という観点から支出を見直してみましょう。
 
申告手続きには一定の手間が伴いますが、メリットもあるため、ぜひ検討してみてください。
 

出典

国税庁 No.1415 給与所得者の特定支出控除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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