更新日: 2023.08.23 その他税金
住民税非課税世帯だと、合計「8万円」の給付金をもらえるの? 非課税世帯になるのはどんな人? 当てはまらないと受け取れない?
そのうえ、住民税非課税世帯のうち子育て世帯に対しては、子ども1人に対して5万円が支給されます。低所得の家庭にとっては非常に助かる制度ですが、「うちだって大変なのに、なぜもらえないの」と不公平感を抱いている人もいるでしょう。
給付金の線引きとなっている住民税非課税世帯とは、一体どのような人のことをいうのでしょうか。本記事で解説します。
執筆者:佐々木咲(ささき さき)
2級FP技能士
住民税の仕組み
税金は大きく分けて国に納める国税と、都道府県や市区町村に納める地方税があります。住民税は居住地の都道府県と市区町村へ納める地方税です。「都道府県に納めた記憶はない」と思われるかもしれませんが、その通りです。住民税は市区町村へ一括して納め、都道府県に対する部分は市区町村から都道府県に支払われる仕組みとなっているからです(図表1参照)。
図表1
総務省 個人住民税
住民税非課税世帯とは
「住民税非課税世帯=住民税が課せられない世帯」という部分までは理解している人が多いでしょう。もう少し詳しく解説します。
住民税は均等割と所得割の2つから構成されており、均等割は一定の所得以上の人に定額で課される部分です。東京23区内の場合には、給与年収100万円以下であれば均等割が非課税になります。所得割は所得に対して課される部分で、年収が高いほど所得割額は高くなります。
つまり、住民税非課税世帯とは「均等割が非課税の場合」と「均等割と所得割が非課税の場合」の2パターンがあるということです。どちらをもって住民税非課税世帯とするのかは制度によって異なるため確認が必要です。
ちなみに、「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金(3万円)」、「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金(子ども1人当たり5万円)」が対象としている住民税非課税世帯はいずれも「均等割が非課税の場合」を指しています。
住民税非課税「世帯」である点に注意
住民税非課税世帯は、世帯人員の全員が非課税でなければ該当しない点に注意しましょう。例えば、父、母、長女の3人世帯で、父母は現役を引退して年金生活となっており住民税は非課税だとしても、長女が正社員で給与から住民税が天引きされている状況であれば住民税非課税世帯には該当しません。
それならば「住民票を分ければよい」と思うかもしれません。しかし、長女だけ住民票を分けて世帯を別にしたとしても、父母と住所が同じであれば同一世帯と判断される可能性があることも知っておいてください。詳しくは市区町村役場に確認しましょう。
まとめ
住民税非課税世帯とは、世帯全員に住民税がかかっていない世帯のことをいいます。「均等割と所得割が非課税」、「所得割のみ非課税」の判断は給付金の種類などに応じて異なる点に注意してください。
なお、本記事で紹介した3万円と5万円の給付金の支給対象は、住民税非課税世帯に限らず、住民税非課税世帯相当と認められる世帯なども含まれる要件となっています。住民税を支払っていても該当する可能性はありますので、気になる場合には市区町村役場へ連絡して確認してみましょう。
出典
総務省 個人住民税
内閣府 電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金について
厚生労働省 低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士