加熱する「ふるさと納税」クラウドファンディングとのコラボに注目!
配信日: 2018.08.23 更新日: 2019.01.11
また、最近では総務省も後押しする、クラウドファンディング型のふるさと納税も話題を集めています。そこで今回は、ふるさと納税の新しい流れについてお伝えします。
Text:福島佳奈美(ふくしま かなみ)
【保有資格】CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士・DC(確定拠出年金)アドバイザー
大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務。子育て中の2006年にCFP資格を取得、FPとして独立。「ライフプランニング」をツールに教育費や保険、住宅ローンなど家計に関する悩みを解決することが得意です。
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加熱する「ふるさと納税」の返礼品競争
総務省が発表した「平成30年度ふるさと納税に関する現況調査」によりますと、平成29年の1月1日から12月31日の間にふるさと納税された額は、約3,482億円で前年の約1.3倍以上にもなるということです。
年々、競うかのように各自治体には魅力的な返礼品があふれ、一部では換金性の高い商品券やプリペイドカード、高額な電化製品など、制度の趣旨に合わないと思われるものもありました。
そこで2017年と2018年の2度にわたって、総務省から自治体に「責任と良識のある対応」をするよう異例ともいえる通知が出されたのです。
現在では、ほとんどの自治体で返礼品の割合は寄付金の3割まで、さらに返礼品の内容も見直すなどの対応がなされています。
ふるさと納税の本来の趣旨は?
そもそも、ふるさと納税の趣旨は、ふるさとを離れて暮らす納税者が自分の出身地を応援したい、ふるさとに恩返ししたいという気持ちを納税という形で実現するものです。各自治体には工夫をこらした返礼品が多くみられ、ふるさと納税を通して地方を元気にすることができました。
また、多くの自治体では、納税者が寄付を行う際に税の使い道を指定できる仕組みになっています。例えば、子育て支援、高齢者のための支援、地場産業の発展のためなどといった具合です。このようなふるさと納税の仕組みを通して、納税者は税の使い道について考える機会にもなっているようです。
ただ、実際に寄付したお金がどのように使われていったのか、ということまではわからないのが実情ではないでしょうか。
そこで、総務省は、ふるさと納税の趣旨や内容をより明確にし、継続的につながっていくことを後押しする仕組みを打ち出しました。
それが、クラウドファンディング型のふるさと納税を活用した「ふるさと起業家支援プロジェクト」、「ふるさと移住交流促進プロジェクト」です。総務省の狙いは、地方での起業家支援や、継続的な支援を通じて将来の地方移住へとつなげることです。
クラウドファンディングとふるさと納税のコラボに注目!
クラウドファンディングは、ネット上で不特定多数の人から資金を集める方法として注目されていますが、ふるさと納税と仕組み上での共通点が多く、クラウドファンディングとふるさと納税をコラボすることで納税者が自分の寄付金の使い道を実感することができます。
この場合、自治体が実現したいプロジェクトを立ち上げて寄付金を募ると、同感する寄付者が寄付をします。実際のクラウドファンディングと異なるのは、たとえ目標金額に届かなくてもプロジェクトは実行されることです。プロジェクトによっては、関連したお礼の品が届くこともあります。
つまり、「お礼の品」で選ぶのではなく、「寄付金の使い道」で選ぶ、ふるさと納税です。
今後、あたらしい形のふるさと納税として注目を浴びていくのではないでしょうか。
Text:福島佳奈美(ふくしま かなみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCアドバイザー、ふくしまライフプランニングオフィス代表
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